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62歳の鈴木さん、道ピアノコンクールで最優秀

62歳で人生2回目となるコンクールに出場し、最優秀賞に輝いた鈴木さん

 帯広市内の長井音楽教室(長井桂子代表)に通う同市在住の鈴木大民(ひろひと)さん(62)が、日本ピアノ研究会が主催するコンクール「北海道ピアノ・オーディション」の趣味・シニア初級部門で最優秀賞を獲得した。50代半ばになってから猛練習をしての受賞に、「自分と同年代の人には趣味を持たない人も多いと思う。どんなことでも挑戦することが大切」と話している。

 鈴木さんは幼少の頃から父親や友人の影響でクラシック音楽を好んで聴いていた。「聴くだけではなく、楽器を演奏したい」と27歳のときにピアノ教室に通ったがすぐに挫折。しかし、その後も楽器演奏の夢を持ち続けていた。

 転機が訪れたのは55歳のとき。定年後の人生を考えていた際、新聞で同年代の人がピアノを始めたという記事を読んだ。「自分もできるはず」と再びピアノへの挑戦を決め、妻の高校時代の同級生である長井代表を紹介してもらった。

 長井代表が「熱心に練習する姿に感銘を受けた。私よりも長い時間ピアノを弾いている」と驚くように、鈴木さんは「練習の虫」。月2回のレッスンの他にも自宅で出勤前と帰宅後にほぼ毎日練習し、一度は挫折したピアノに挑戦できたのは「先生のおかげ」と感謝する。

 長井代表は「子供に教えるときのように基礎からではなく、弾きたい曲を1曲ずつ完成させながら力を付けていくようにした」と言い、昨年、「モチベーションにしてほしい」と60歳以上でも出場可能なコンクール出場を勧めた。しかし、結果は「生まれて初めてのコンクールで緊張し、トラウマになるほどの大失敗」(鈴木さん)。

 鈴木さんが落ち込む姿を見て、長井代表は今年は勧めなかったが、「失敗したままでは悔いが残る」と鈴木さん自ら今年のコンクール出場を申し込んだ。8月に予選、9月に本選が行われ、11月29日に札幌市で開かれた受賞記念披露コンサートで盾と賞状を受けた。

 コンクールで財津和夫さんの「サボテンの花」を演奏。ピアノ向けにアレンジされた曲は難易度が高かったが、審査員からは選曲も含めて賞賛され、鈴木さんは「80歳になってもピアノを弾き続けたい」とますます張り切っている。(大谷健人)

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