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羽賀7位健闘、小平銀、高木菜8位 W杯スケート

【Aクラス男子500メートル1回目】35秒32で日本人最上位の7位に入った羽賀亮平(日本電産サンキョー)

 第1日は14日、明治北海道十勝オーバルで男女4種目を行い、Aクラス男子500メートルで羽賀亮平(日本電産サンキョー-日大、白樺学園高出)が7位ながら、表彰台まであと0・08秒差に迫る健闘、日本勢で最高位となった。同女子500メートルは、小平奈緒(相澤病院)が38秒18で2位となりこの日の日本勢唯一のメダルを獲得。郷亜里砂(イヨテツクラブ-山梨学院大、白樺学園高出)は39秒00の自己新記録で10位、辻麻希(開西病院)はスタートで出遅れ16位だった。同女子3000メートルは、高木菜那(日本電産サンキョー-帯南商高出)が4分11秒83で8位となったのが日本勢の最高だった。(ワールドカップ取材班)

 Aクラス男子500メートルの長島圭一郎(日本電産サンキョー-日大、池田高出)は10位、及川佑(大和ハウス工業-山梨学院大、池田高出)は15位だった。優勝はソチ五輪銀メダリストのヤン・スメーケンス(オランダ)で、リンク記録に0・1秒差に迫る35秒06だった。同女子500メートルの優勝は五輪同種目で2連覇中の李相花(韓国)。

 同男子5000メートルはソチ五輪同種目覇者で世界記録保持者のスベン・クラマー(オランダ)が、余裕の滑りながらリンク記録を5秒48更新する6分20秒90で2位以下を寄せ付けなかった。4位までリンク記録。同女子3000メートルは、ソチ五輪金メダリストのイレイン・ブスト(オランダ)が優勝。同銀メダルのマルティナ・サブリコバ(チェコ)が2位と、実力者が上位を占めた。藤村祥子(宝来中央歯科)は11位だった。Aクラス5位までとBクラス1位がリンク新。

 オランダ勢は、Aクラスの4種目中3種目で金メダルを獲得する強さを示した。

◆羽賀亮平、表彰台までわずか
 羽賀亮平は3位まで0秒08差とわずかの差で表彰台を逃した。「狙っていたので悔しい」としながらも、課題に取り組む中での戦いに、大きな収穫点もあり表情は暗くなかった。

 10月の全日本距離別選手権以降にスタートの改善に着手した。1歩目で右足が抜けて滑ってしまうことが多かったため、「スケートの刃を氷にしっかりとかませるように意識する」という練習を繰り返した。

 スターター付きの実戦はこの日が初めて。手探りの状態ながら100メートルを9秒75で通過し、コーナーでもまずまず。「そんなにミスもなく、300メートルまでは良かった」と話した。2位だった全日本距離別選手権の2本よりも良いタイムの35秒32を記録した。

 残り200メートルでの体力不足を反省しつつ、前を追えるアウトスタートとなる16日の2本目は「最大のパフォーマンスで、最高の結果につなげたい」と、3位以内を狙う。

【Aクラス女子3000メートル】4分11秒83で8位に入った高木菜那(日本電産サンキョー)がレース後、観客の声援に応える

◆高木菜那「集中して滑れた」
 日本女子長距離界のエースに育った高木菜那が、同走選手を追い上げ後半に逆転する展開で上位に食い込んだ。「W杯ではチャレンジャー。緊張することなく、集中して滑れた」と振り返った。

 1400メートル以降の4周を33秒台でまとめるなど落ち幅は少なかったが、「ラスト2周までは32秒台で粘りたかった」と反省も。今季合宿で練習を共にしたオランダの選手たちに勝てなかったことを発奮材料に、「氷の押し方や、低い姿勢などもっともっと変わっていきたい」と意欲を示した。

【Aクラス女子500メートル1回目】自己記録を更新し、笑顔でコーチとタッチを交わす郷亜里砂(イヨテツ)

◆郷亜里砂、自己ベストで健闘「良かった」
 郷亜里砂は自己ベストを0秒08更新し、小平奈緒に続く日本人2位の10位に食い込む健闘を見せた。「良かった。リラックスして練習通りの滑りができた」と喜んだ。

 今季はレースに冷静に臨めるようになり、26歳で初のW杯の切符を手に入れるなど好調を維持している。この日は最初の100メートルを自己最高の10秒64で通過し、好結果に結び付けた。「2本目は28秒台を目指し、少しでも順位を上げたい」と力強く言い切った。

【Aクラス女子3000メートル】11位で滑り終えた藤村祥子

◆藤村祥子「応援に背中を押された」
 ソチ五輪を経験し、「出場が目標だったのが、世界と戦いたいと思うようになった」と話す藤村祥子は今季、ステップアップを目指して試行錯誤している。

 この日は最初の600メートルの入り方を速くした。「トップ選手に比べてスピードが足りない」と感じているからだ。前半に飛ばした分後半にラップを落としたが、ラスト1周は16人中6位の33秒7をマークするなど粘って意地を見せた。「地元の応援に背中を押されて頑張れた」と感謝していた。

【Aクラス女子500メートル】花束と銀メダルを胸に表彰台で笑顔を見せる小平奈緒(相澤病院、左)。中央は優勝の李相花(韓国)、右は3位のオリガ・ファトクリナ(ロシア)

◆小平奈緒が2位「しっかりしたレースできた」
 女子短距離第一人者の小平奈緒(相澤病院)が、昨年12月のハルビン大会以来の表彰台に立った。「世界戦の開幕で少し気合が入って集中して臨めた」と、最終組の李相花(イ・サンファ=韓国)に抜かれて2位となったが、リンク記録に0・15秒差の好タイムで2位となった。

 スタートは出場20人中6位と出遅れたが、裏の直線でスピードに乗り、最終カーブの加速に結びつけたのが記録に結びついた。「しっかりしたレースができた。1000、1500、500(2本目)につなげたい」と気持ちが乗っている。

◆長谷川翼、修正して最終日に
 長谷川翼(日大-白樺学園高出)のW杯デビューは、Bクラス500メートル8位。「全然駄目。動きにキレがない。ふわふわした感じだった」と反省した。

 タイムは10月の全日本距離別選手権と同じ38秒5台だったが、目標としていたコーナー出口のピッチを上げて直線につなげる滑りができなかった。

 2本目は最終日の16日。「しっかりポイントを決めて臨みたい」と、修正すべき箇所を意識しながら、ベストレースを目指す。

男子500メートル10位の長島圭一郎の話
 ゴールしてなんぼなので、スタートが良いとか関係ない。足にきてきつかった。実力不足です。もう1本あるので表彰台を目指す。

同15位の及川佑の話
 全然駄目。どこがと言いづらいほど悪すぎる。多くの人に応援していただいているのに申し訳ない。日曜日にもう1レースあるので良い結果を出したい。

女子500メートル16位の辻麻希の話
 いきなりスタートでつまずいてしまった。スタート付近の氷が荒れていて、少し位置をずらしたのが悪かったかも。上位に食い込めるように2本目は最大限の力を出したい。

W杯スケート 1日目午後の記録(14日・7位以下関係分)
【男子】
◇500メートル
▽Aクラス

世界記録 ジェレミー・ウォザースプーン(カナダ)34秒03
日本記録 加藤条治(日本電産サンキョー)34秒21
国内最高 加藤条治(日本電産サンキョー)34秒64
リンク記録 加藤条治(日本電産サンキョー)34秒96
(1)ヤン・スメーケンス(オランダ)35秒06
(2)パベル・クリツニコフ(ロシア)35・16
(3)ルスラン・ムラショフ(ロシア)35・246
(4)ヘイン・オッテルスピア(オランダ)35・248
(5)ニコ・イレ(ドイツ)35・316
(6)ローラン・デュブロイ(カナダ)35・319
(7)羽賀亮平(日本電産サンキョー-日大、白樺学園高出)35・32
(10)長島圭一郎(日本電産サンキョー-日大、池田高出)35・54
(15)及川佑(大和ハウス工業-山梨学院大、池田高出)35・76
(17)山中大地(電算)35・83
▽Bクラス
(1)アレクセイ・エシン(ロシア)35秒25
(2)アルチョム・クズネツォフ(ロシア)35・30
(3)金俊昊(韓国)35・31
(4)牟鐘声(中国)35・58
(5)李康奭(韓国)35・68
(6)カイ・フェルバイ(オランダ)35・77
(8)長谷川翼(日大-白樺学園高出)35・85

◇5000メートル
▽Aクラス

世界記録 スベン・クラマー(オランダ)6分3秒32
日本記録 平子 裕基(開西病院)6分21秒98
国内最高 ウィリアムソン師円(日本電産サンキョー)6分29秒76
リンク記録 李承勲(韓国)6分26秒38
(1)スベン・クラマー(オランダ)6分20秒90
(2)アレクサンドル・ルミャンツェフ(ロシア)6・23・56
(3)オウター・オルデフーフェル(オランダ)6・24・03
(4)ボブ・デヨング(オランダ)6・25・95
=以上リンク新
(5)パトリック・ベッカート(ドイツ)6・27・64
(6)クン・フェルバイ(オランダ)6・28・62

【女子】
◇500メートル
▽Aクラス

世界記録 李相花(韓国)36秒36
日本記録 小平奈緒(相澤病院)37秒29
国内最高 小平奈緒(相澤病院)37秒87
リンク記録 ジェニー・ウォルフ(ドイツ)38秒03
(1)李相花(韓国)38秒07
(2)小平奈緒(相澤病院)38・18
(3)オルガ・ファトクリナ(ロシア)38・50
(4)ユディト・ヘッセ(ドイツ)38・736
(5)マホ・ブア(オランダ)38・738
(6)フロア・ファンデンブラント(オランダ)38・78
(10)郷亜里砂(イヨテツクラブ-山梨学院大、白樺学園高出)39・00
(14)住吉都(ローソン)39・12
(16)辻麻希(開西病院)39・25
▽Bクラス
(1)バネッサ・ビットナー(オーストリア)38秒50
(2)朴勝義(韓国)39・330
(3)李華偉(中国)39・334
(4)アンゲリナ・ゴリコワ(ロシア)39・34
(5)ユリヤ・コジレワ(ロシア)39・40
(6)張美(韓国)39・41
(9)黒岩美生(日体大)39・79

◇3000メートル
▽Aクラス

世界記録 シンディー・クラッセン(カナダ)3分53秒34
日本記録 田畑真紀(ダイチ)4分1秒01
国内最高 石野枝里子(日本電産サンキョー)4分6秒77
リンク記録 朴度瑛(韓国)4分8秒48
(1)イレイン・ブスト(オランダ)4分4秒91
(2)マルティナ・サブリコバ(チェコ)4・6・11
(3)ヨリン・フールハウス(オランダ)4・7・04
(4)ディアヌ・ファルケンブルフ(オランダ)4・7・57
(5)マリエ・ヨリング(オランダ)4・8・22
=以上リンク新
(6)リンダ・デフリース(オランダ)4・9・27
(8)高木菜那(日本電産サンキョー-帯南商高出)4・11・83
(11)藤村祥子(宝来中央歯科)4・13・56
(13)菊池彩花(富士急)4・14・73
(14)田畑真紀(ダイチ)4・15・27
▽Bクラス
(1)イバンニ・ブロンディン(カナダ)4分8秒23
=リンク新
(2)ユリヤ・スココワ(ロシア)4・12・19
(3)金ボルム(韓国)4・14・43
(4)アンナ・チェルノワ(ロシア)4・15・31
(5)ナタリヤ・ボロニナ(ロシア)4・16・20
(6)趙欣(中国)4・16・57
(11)高山梨沙(富士急)4・19・97


◆ISUワールドカップスピードスケート帯広大会について
大会の概要(英語)-大会公式ホームページ

随時情報発信中、日本人選手の動画もあり(日本語)-大会公式Facebook

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