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宇宙が縁で移住 横山さん夫妻  まちマイ大樹編

自慢の薪ストーブを前にする横山さん夫妻

 最先端の宇宙の世界から大樹の自然の中へ-。旧航空宇宙技術研究所(現JAXA)の職員だった横山晋太郎さん(66)はこの4月、念願だった大樹での暮らしに踏み出した。

 広島県出身の横山さんは、同研究所で研究管理の仕事を担当。無人宇宙往還機「HOPE」の実験地選定のために大樹を訪れ、「その大自然の魅力に引き込まれた」。2009年、退職を機に町拓北のカシワ林の中に手作りで新居建設に取り掛かった。夏の間は町内に仮住まいしながら作業を進め、5年目の今年、岐阜の家を引き払って妻の由里子さん(58)と2人で移り住んだ。

 林を切り開いた場所だけに、水道や電気は500メートルほど引いてもらったり、インターネットや携帯電話もエリアぎりぎりになっていたりと、便利な都会生活とは一変。しかし、自慢の薪ストーブが部屋全体を温め、木のぬくもりが感じられる空間は心地よさを感じさせる。「まだ内装に手を入れたい」と表情は明るい。

 2人にとっては初めての本格的な大樹の冬がやってくるが、晋太郎さんはスキー、由里子さんはバードウォッチングとそれぞれ趣味を持つためか、「ここでの越冬が楽しみ」と口をそろえる。

 何よりも、人の温かさがあるから厳しい寒さも怖くないという。「大樹の人はとてもフレンドリー。人口はまばらだけど、人間関係は密」と晋太郎さん。由里子さんも「今年は夫婦で、周りの農家さんで大根の収穫や小豆の草刈りなどの手伝いができて、皆さんとさらに親しくなれた。お付き合いは冬に盛んになるそうなので楽しみ」と笑う。
(石田宇郎)


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