チャイムは鉄琴の生音 大樹町役場 まちマイ大樹編
大樹町役場の職員や来庁した住民になじんだ音がある。始業、終業時や、議会が始まる際に庁舎内に響く「ピン・ポン・パン・ポン・ポーン」のチャイム音だ。チャイムは電子音で鳴らすのが一般的だが、町役場では鉄琴の生音を使用している。
役場で使っているのは、チャイムに必要な5つの鍵盤しかない専用の鉄琴。現在の庁舎が建設された1973年から41年間使われている。過去に7年間、鉄琴を鳴らす担当をしていた総務課の佐藤美香さんによると、鍵盤を繋ぐヒモが切れたこともあるが、買い替えはなく“初代”のまま。以前は始業時に鉄琴のチャイム音とともに町長や課長のスケジュールを職場内に知らせていたが、10年ほど前にパソコンでスケジュール確認するようになってからは、そのような使われ方はなくなった。
現在は総務課の新人、七海穂花さんが鳴らしている。同課の側にある小部屋にマイクと鉄琴が、その近くにはチャイムを鳴らした後に話すコメントが、ふりがな付きで付せんに書かれて貼ってあった。「叩くのを失敗して音が出なかったりするんですよ。毎回緊張するんです」と照れた様子で話す七海さん。試しに七海さんに鉄琴を鳴らしてもらうと、後ろで聞いていた佐藤さんが「今までで一番いい音なんじゃないの」とほほ笑んだ。
(高木公平)
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