帯広出身のヤクルト杉浦1軍初マウンド 「次につながる」先発の役目きっちり
東京ヤクルトのドラフト1位ルーキー杉浦稔大(22)=国学院大-帯大谷高出、帯広出身=が10日横浜DeNA21回戦に初登板初先発、即戦力としての期待通りのピッチングを披露した。打線の援護がなく黒星がついたものの6回を4安打2失点、9奪三振。右肘のけがからの復活に手応えを得ただけではなく、「次につながる」と充実感をみなぎらせた。
同日に1軍に昇格したばかり。一回、先頭の梶谷隆幸に対し注目の初球は、140キロ台の外角直球で空振りストライク。しかしカウント2ボール1ストライクから145キロの直球を右翼スタンドぎりぎりに運ばれ、いきなりプロの洗礼を浴びた。
動揺することはなかった。「ここから自分の投球をしようと思った」。持ち味の140キロ台中盤の速球、切れのある変化球を低めに集めた。続く山崎憲晴にはワンバウンドになる133キロフォークボールで空振り三振を奪うと、グリエルには144キロ直球で押して右飛。さらに同年代の4番筒香嘉智には全て直球で勝負、最後は144キロの高め速球で空振り三振と圧倒した。
二回が始まる直前、雨による8分間の中断もあったが集中力を切らせなかった。7番バルディリスをフォークで空振りを奪い3個目の三振。四回には再び筒香との対戦でカウント3-2から、145キロの高めボール球で空振り三振を奪うなど、五回まで出した走者は2安打を打った梶谷のみ。初速と終速に差がない伸びのある球で相手打者を手玉に取っていた、大学時代のような投球を披露した。
六回、2死無走者から山崎に左翼フェンス直撃の二塁打、グリエルに左前安打といずれも甘い球を打たれて2失点目を喫したが、先発の役目はきっちり果たした。今春の右肘じん帯断裂からリハビリ期間を経て、7月に2軍登板。そしてたどりついた1軍マウンド。「ここまで結構長かった」と、我慢してきた約半年の思いを駆け巡らせながら「やっとスタートという思い。次こそは初勝利を」と前を見据えた。(岡部彰広)
◆杉浦稔大選手について
・杉浦 稔大-東京ヤクルトスワローズ公式ホームページ
・出場選手登録異動公示-東京ヤクルトスワローズ公式ホームページ
・無四球のコントロール-東京ヤクルトスワローズ公式ホームページ
・ルーキー杉浦投手が6回2失点の上々デビュー!-東京ヤクルトスワローズ公式ホームページ
・杉浦初登板スタンドで家族応援「改めてすごい」恩師もエール-十勝毎日新聞電子版(2014/09/11)