躍る「銀」「浜」、サケ初水揚げ 大樹
【大樹】秋の訪れを告げる秋サケ定置網漁が30日、道東太平洋沿岸の十勝海域で解禁され、初日は大樹漁港で約20トン(昨年実績35%増)が水揚げされた。上々の滑り出しに漁業関係者らは、近年の不漁続きからの復調を期待している。
道内のトップを切って解禁されたのは、管内定置網23カ統(広尾漁協7カ統、大津漁協11カ統、大樹漁協5カ統)。採卵用親魚を確保するため、昨年より6日間遅らせた。広尾、大樹漁協でも同日網入れを行った。
大樹漁港では午前4時ごろ、漁船5隻が出港。沖合1200メートルで網を仕掛けた後、正午ごろ再び沿岸へ。乗組員が力強く網をたぐり寄せると、外洋で大きく育ったピカピカの“銀鱗”が船上で躍った。
漁業関係者による荷分け作業の後、競りにかけられ、1キロ当たり雄320~350円、雌320~350円の浜値で取引された。同漁協の伊藤浩二専務理事は「幸先のよいスタートになった。早く平年並みに戻ることを期待したい」と話していた。広尾漁港は31日、大津漁協は9月1日に初水揚げを予定。漁は11月中旬まで続く。(小寺泰介)