帯北１６強入りならず インターハイサッカー
【２回戦・帯北―西武台】帯北の宮原勇哉からパスを受けゴールに迫る⑨一戸直哉
【山梨】南関東インターハイのサッカー競技は２、３の両日、山梨県韮崎市営御勅使サッカー場などで第１、２日を行った。帯北（北海道第２代表）は１回戦で、宮原勇哉主将（３年）の２得点などで高知商に３－１と快勝、８年ぶりの１勝を挙げた。２回戦は第３シードの西武台（埼玉第１代表）に０－３で敗れた。北海道第１代表の駒大苫小牧は１回戦で、柳ケ浦（大分）に１－２で惜敗した。大会は５５チームが出場、８日までトーナメントで優勝を争う。（北雅貴、塩原真）
◆帯北、名門相手に善戦
「全国トップレベルの相手と戦えたことは貴重な経験。選手が今後にどう生かすかだ」。帯北の岩見卓監督は、過去にインターハイで準優勝した埼玉の名門・西武台に２回戦で惜れたことを前向きに捉えた。
西武台のボールを持った選手への寄せが速く、「次の展開を考える時間がなかった」（宮原勇哉主将）。相手の素早い攻守の切り替えで、前半にフリーキックのチャンスからカウンターを食らい、数的有利をつくられ先制点を与えた。
高いＤＦラインの裏を何度も突かれ、サイドからのセンタリングで失点した。インサイドのパス交換で打開を図ったが、宮原主将は「西武台は一度でボールを取れなくても、二度、三度と追ってくる。すごいハードワークだった」と舌を巻き、「当たり前のことを当たり前にする。（ハードワークを含め）自分たちがやらないといけないお手本」と感心、試合終盤は尊敬の念まで抱いたという。
西武台とは昨夏、現在の３年生だけの関東遠征で練習試合を行った。結果は十数点奪われる大敗でしかも相手はＡ、Ｂチームの交ざった「一軍半」だった。差はまだあるものの、確実に縮まっている。宮原主将のドリブルや、一戸直哉（３年）の縦へのスピードで相手を慌てさせる場面もあった。
１回戦は堅実な試合運びで勝ち切った。プリンスリーグ北海道でしのぎを削る道大谷室蘭や旭川実などの道内強豪校よりも激しいプレッシャーを受けなかったが、初戦の硬さもあり本来の攻撃的なサッカーが十分できなかった。それでもＰＫ２本とセットプレーで計３得点を挙げた。岩見卓監督は「ＰＫは評価している。それだけ相手にとって危険な位置でプレーできている証拠だ」とたたえた。
全国での１勝にも大きな喜びはない。プリンスリーグの連覇、昨年準優勝だった全国高校選手権道大会が控えている。宮原主将は「個の技術と早い判断、チーム全体の連動する意識、走力。全てをレベルアップさせたい」と、今回の敗戦を糧にすることを誓った。
◆川田、体張って守備
２回戦で相手の波状攻撃に、果敢な飛び出しを見せたＧＫの細川龍哉（３年）と共に、センターバックの川田雄大（同）が懸命に体を張った。
川田は登録１５人のフィールドプレーヤーで最も長身の１８０センチの体を生かしたヘディングのほか、粘り強くボールを奪うなど奮闘した。「もっとやられるかと思ったが、体を当てて頑張れた。体力を使い切った」と話した。
３失点には「自分がもっと責任を果たさないと」とする一方で、ＤＦが上がってカウンターを受けた場合に、「中盤で相手の攻撃を遅らせて全員が戻る時間を作る必要がある」と、チーム全体の守備へのさらなる意識の必要性を感じた様子だった。
◆一戸、自慢の快速で１回戦勝利に貢献
ＦＷの一戸直哉が１回戦できらりと光った。縦へのスピードはチームナンバーワン。自慢の快足で、高知商の守備陣を何度も翻弄（ほんろう）した。
宮原勇哉主将の先制点は一戸が呼び込んだ。相手ＤＦのＧＫへのバックパスに猛然とダッシュ、ファウルを誘ってＰＫを獲得した。２点目は宮原主将のフリーキックを、マークをずらして頭で合わせてた。守備でも２－１の後半１０分すぎに、自陣深くまで必死に戻りスライディングでクリアした。「点を狙いにガツガツといけた。持ち味は出せた」と喜んだ。岩見卓監督は「足元の技術をもっと高めて、キーマンになってほしい」と期待を寄せた。
（関係分）
◇１回戦
帯北 ３（２－１ １－０）１ 高知商
▽得点者
【帯】
（１）宮原（前半６分）
（２）一戸（同２５分）
（３）宮原（後半１４分）
【高】
（１）沖原（前半３０分）
◇２回戦
西武台（埼玉） ３（１－０ ２－０）０ 帯北
▽得点者
【西】
（１）高山（前半８分）
（２）久保（後半２分）
（３）中山（同１３分）
◆高校総体2014サッカー競技について
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