国内初の堆肥燃焼式バイオマス発電所が落成 日本家畜貿易
酪農畜産関連資材を輸入販売する日本家畜貿易(帯広市、小森唯永社長)のバイオマス発電所の落成式が24日、同市大正町の同社敷地内で開かれた。家畜の完熟堆肥を直接燃焼して発電する仕組みは国内で初めてとし、家畜ふん尿を処理する時に発生するバイオガスを利用した発電施設と比べて単純な構造となっている。同発電所をモデルとして、同社のグループ会社が今後、販売していく。
同発電所は鉄骨造り平屋の面積540平方メートル。総事業費は約4億円。完熟堆肥を乾燥室に入れ温風で乾かし、乾燥させた堆肥を一定量ずつ燃焼炉に供給し24時間自動で運転する。発生した蒸気で発電機を稼働させる。
発電機は現在、最大出力160キロワットの機械を設置、現在は発電した電気は同施設の稼働に当てているが、来年にも北電への売電を目指している。売電契約が順調にいけば、105キロワット分を追加。計265キロワットの発電能力は、日中のみ発電する太陽光発電に換算すると約1・5メガワット分でメガソーラー級となる。
焼却時に残った灰はリンやカリウムが含まれており肥料として農地に還元する。
酪農・畜産の大規模化にともない、ふん尿処理が課題になっているが、同施設の燃料とすれば、1日2000~3000頭分を処理できる。
同発電システムに関する特許は6月28日に出願した。今月10日に施設が完成し、試験運転を続けており、売電契約ができれば本格稼働となる。今後、グループ会社のエコマックスジャパン(東京都、小森唯永社長)を通じて販売する。
バイオガスと異なり、ガスを貯めるガスホルダや消化液貯留槽も不必要でコンパクトに建設できる。小森社長は「単純なシステムで建設コストは安く、故障が少ない。バイオマスは24時間稼働するベース電源になる」と話す。(関坂典生)
◆バイオマス発電システムについて
・バイオマス発電システムに関する詳細情報-日本家畜貿易公式ホームページ