手作りの弾で最高の獲物を まちマイ中札内編
中札内部会元会長 山田英雄さん(66)
猟友会のヒーロー意欲新た
40年以上、猟友会帯広支部中札内部会に所属し、村の山などでシカやカモなどを追ってきた。新札内の畑に現れた200キロを超えるヒグマを仕留めたこともある。わなに掛かった獲物に鉄格子の隙間から、弾が跳ね返らないよう仕留める「止め刺し」も、必ず任されるほど仲間から信頼を集める同部会元会長・山田英雄さん(66)。「自分で作る最高の弾で、最高の獲物を捕りたい」と話す。
1947年中札内村生まれ。幼いころからトラクターなど機械構造に興味があり、「大工道具を使って工作することが好きだった」。20歳で狩猟免許を取ったが、撃つことより銃の構造に興味があって「散弾銃の弾を手作りするのが楽しかった」と当時を振り返る。
山田さんの健脚は村内でも有名で、林道まで車を乗り入れる他のハンターとは異なり、山の麓から当たりを付けて登って行く。効率は悪いが“数を捕る”ことにはこだわらず「いかに気づかれずに近づくか」という駆け引きを楽しんでいる。かつて1メートルほどもある、美しい角の鹿に出くわし「思わず見とれて、気が付いたら消えていた」とも。
今こだわるのは、空薬きょうを再利用してライフル弾を作る「リローディング」。火薬量や雷管を調整することで、自分の銃に合った弾を作ることができるという。昨年は猟友会安全狩猟射撃大会(5支部合同)でクレー射撃・ライフルの部2冠を達成。まだまだ意欲も腕も衰えない。
(小寺泰介)
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