帯工開幕戦競り勝つ 帯北連覇逃す 春の高校野球支部予選初日
高校野球の第53回春季道大会十勝支部予選(道高野連など主催)は10日、帯広の森野球場で連合チームを含む21チームが出場して開幕、1回戦3試合を行った。投手戦となった午前の第1試合は、帯工のエース河尻光(3年)が自らの打撃でもぎ取った勝ち越し点を守り切り、8奪三振1失点の力投で帯北に2-1で競り勝った。帯北は2年連続の支部代表を逃した。試合に先立ち午前8時半から行われた開会式では、前年覇者の帯北・岡田陸主将(同)が支部代表旗を返還。選手を代表して芽室の田中秀亮主将(同)が「野球の素晴らしさを多くの人に伝えられるよう正々堂々と戦う」と宣誓した。18日に代表決定戦を行い、代表1チームは26日から札幌円山球場で開かれる道大会に出場する。(岡部彰広、折原徹也)
◇1回戦
帯北
100000000|1
01000100×|2
帯工
▽三塁打=敬松(工)
▽二塁打=大石(北)吉田、河尻(工)
帯工は1点を追う二回、先頭の河尻が中前打。2死後に吉田が甘い変化球を右中間に運ぶ二塁打で同点に追いついた。六回には下坂の中前打に牧野の犠打で1死二塁から、河尻の流し打ちの右越え二塁打で勝ち越した。
右腕エース河尻は、初回に自らの2失策で失点するなど序盤にペースをつかめなかったが、尻上がりに調子を上げ、六回以降は1安打しか許さなかった。
帯北は初回1死から木田智が敵失で出塁し、二盗とけん制悪送球で三進。大石の左中間二塁打で生還し先制した。しかし、七回を除いて毎回走者を出しながら追加点を奪えず苦しんだ。右腕岡田は、スライダーを武器に五回まで毎回三振を奪ったが、力投及ばなかった。
◆帯工のエース・主砲河尻「次こそは完璧な試合を」
帯工はエースで主砲の河尻光(3年)の活躍で、緊迫の開幕戦を制した。
初回に自らの連続失策で失点。制球にも苦しんだ。それでも持ち味の速球に得意のフォークボール、スライダーを駆使し、走者を背負ってから三振を奪う力投。山本厚司監督は「悪いなりによく投げた。さすがエース」と褒めた。打撃でも六回、カーブを流し打ちしての勝ち越し二塁打。パワーとともに存在感を見せつけた。
1年生春からレギュラーだった河尻も高校最後の年を迎えた。「次こそは完璧な試合をしたいし、OBに強い帯工を見せたい」と、自身初の道大会出場を目指し気合十分だ。
◆芽室・田中主将、選手宣誓の出来栄え及第点
厳しい練習をしてきた仲間との絆を胸に、開会式の選手宣誓を終えた芽室の田中秀亮主将は「試合よりも緊張した」とほっとした表情を見せた。
自分で考えた文を、佐々木孝監督から「シンプルに」とアドバイスを受けて修正。風呂で湯につかりながら声を出す練習をしてきた。そのかいあって「ゆっくり大きな声で言えた」と自らに及第点を与える出来栄え。
「夏のシードを取りたい。(初戦の2回戦で)更別農に勝って、(準々決勝で)もう1勝する」と今大会の目標を掲げる言葉も力強かった。
◆高校野球速報
・北海道高等学校野球連盟ホームページ-速報など
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