十勝毎日新聞 電子版

Tokachi Mainichi News Web

宮西町長「反論権」行使 決算は不認定 芽室町議会

「反論権」を行使し、補正予算案の修正案に対して反対意見を述べる宮西町長(中央)

 【芽室】町議会定例会議本会議は26日午前9時半に再開。町道の災害復旧工事における不適切会計処理問題をめぐり、町は不当利得返還金と同返還金に対する遅延損害金を計上した今年度一般会計補正予算案を提案し賛成多数で可決された。同議案に対し議員からは修正案が提出され、賛成少数で否決された。宮西義憲町長はこの修正案に「反論権」を行使し反対意見を述べた。議会制度の中で反論権が行使されるのは全国で初。また、町が再認定を求めた昨年度一般会計決算については全会一致で「不認定」とした。

 焦点となっているのは町道の災害復旧工事をめぐり、設計ミスにより発生した追加工事費を別の工事に上乗せして支払う不適切な会計処理が行われていた問題で、町が業者に対して支払うべき金額(債務)について。町は契約がない中で業者に工事を完了させたことで町が不当な利益を受け、業者に損害を与えた「不当利得」と説明。町と業者間で合意した「515万6500円」に遅延損害金を加えた額のうち、すでに昨年度、別の工事に上乗せして支払った額を除いた計423万6000円を補正計上した。

 修正案は正村紀美子氏、唯野義勝氏の連名で提出された。町の債務額について、町が今年2月に道へ提出した設計変更後の設計書で示された525万円に遅延損害金を加えた額を町の債務とすべきだとし、計433万200円を計上した修正案を提出した。これに対して宮西義憲町長は反論権を行使。「修正案は法的解釈の上で適正ではない」と反対意見を述べた。

 採決では初めに修正案が賛成2、反対13で否決。原案が賛成11、反対4で可決された。

 また、補正予算案の採決に先立って行われた、昨年度の一般会計決算の再認定はでは、不適切な会計処理が行われたことを鑑み、全会一致で不認定とした。議会による決算の不認定はすでに執行された予算の効力を損ねるものではないが、一般に首長の道義的、政治的な責任が問われるとされている。(大谷健人)

<反論権>
 議員や委員会による条例の提案、議案の修正、決議に対して、議長または委員長の許可を得た上で町長ら執行機関の長が反論を述べることができる制度。芽室では昨年4月1日から施行された「町議会基本条例」の中で、質問者に対して論点を整理することなどを目的に答弁者が逆質問を行うことができる「反問権」とともに認められている。現在、反論権を条例で認めている地方議会は全国で3市町(鹿追町、芽室町、三重県松阪市)のみでこれまでに行使された例はない。

更新情報

年に1日だけの巨大シジミ漁 大樹・オイカマナイトー

紙面イメージ

紙面イメージ

7.16(火)の紙面

ダウンロード一括(133MB) WEBビューア新機能・操作性UP

日別記事一覧

前の月 2024年7月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

十勝の市町村

Facebookページ

記事アクセスランキング

  • 昨日
  • 週間
  • 月間

十勝毎日新聞電子版HOME