地域の課題SNSで掘り起こす 帯広の大平さん
ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を活用して地域の課題を掘り起こそうと、帯広市臨時職員の大平亮介さん(24)が友人と2人で任意団体「Obi Issue(オビ・イシュー)」を立ち上げた。大平さんは「地域には一部の人たちだけが知っていて、解決されないままの問題がたくさんある。それを可視化することで解決につなげたい」と話す。
(丹羽恭太)
大平さんは1989年、帯広市生まれ。帯広農業高校、帯広大谷短大卒。現在は市図書館に勤務する傍ら、武蔵野大通信制で心理学を学んでいる。
昨年夏、市緑ケ丘公園のごみ放置問題が本紙で集中報道された後に改善されたことを知り、「問題が長年解決されなかったのは、多くの人にとって問題への認識がなかったから」と考えた。問題が潜在化してしまうのは「行政に対して気軽に意見を言える仕組みがないから」とし、多くの市民の声を集めるツール(道具)としてSNSの活用を思い立った。
オビ・イシューでは、フェイスブック(FB)を利用して市民から課題の発見や解決に必要な情報を収集。スタッフによる勉強会などを通じて課題を分析し、解決方法を行政や関係機関に提案する。
「これまで市民が行政に声を伝えるツールとして、投書や電話、パブリックコメントなどさまざまあったが、手間と労力がかかるため利用するのは一部の人に限られていた。FBを使うことで、特に若い人が気軽に声を上げられる」と期待する。
大平さんは取り組みたい課題として、自転車盗難の防止やカラスによるごみの散乱問題など日常の身近なものから、貧困家庭の子供の教育対策といった課題まで幅広く挙げる。「いろいろな人を巻き込んで、可視化した問題を多くの人に議論してもらうことで、解決策を市民自らが考えられる帯広を実現したい」と意気込んでいる。FBのページは「Obi Issue」で検索する。