強風で来場者激減、10年間で過去最低 おびひろ氷まつり
第51回おびひろ氷まつり(帯広のまつり推進員会主催)が2日、3日間の日程を終えて閉幕した。来場者数は前年比1万6800人減14万1700人で、10年間で過去最少。強風に見舞われた2日目(2月1日)の人出が大きく落ち込み、管内他地域のイベントと日程が重なった点も影響した。十勝を舞台にした人気漫画「銀の匙」を前面に押し出したコーナーはにぎわったが、市民氷雪像や氷彫刻展の参加者・団体数は減少し、市民参加の広がりの面で課題を残した。
来場者数は1月31日の初日が前年比300人減の2万2200人、2日目は同1万2200人減の6万9500人、最終日は同4300人減の5万人で、ここ10年で初めて15万人台を下回った。
今年は人気漫画「銀の匙」を前面に打ち出し、大氷雪像に加えてPRコーナーも展開。カレンダーやキーリングなど一部の限定グッズや「タワー盛り豚丼」が完売した他、石窯を使ったピザ焼き体験といった漫画さながらの世界を味わおうと、駐車場には道内外ナンバーが並んだ。
一方、初日と2日目に冷たい風が吹き荒れたため、実行委側は冬の屋外イベントで天候が客足に直結したと分析する。また、1、2の両日には陸別町の一大イベント「しばれフェスティバル」と日程が重なり、市民の客足が遠のいたと指摘する声もある。
加えて市民氷雪像コンクールの出場団体は昨年より7団体減り、初出場も1団体にとどまった。氷彫刻展冬季帯広大会の出場者も28人から12人と半数以下に落ち込み、毎年会場を訪れる市民からは「全体的にスケールが小さく感じた」「市民氷雪像の数が減って残念」などの声も聞こえた。
今年は雪不足を逆手に取って随所に氷を生かした会場を展開。今年新たに実行委員長に就いた火ノ川好信氷まつり実行委員長は「良かった点を伸ばしつつ、多くの子供に夢を与えるまつりを目指してチャレンジし続けたい」と話す。来場者の回復には、市民が〝主人公〟になれる参加型企画の質・量の充実が求められている。(小縣大輝)