高木美帆、成年女子1500優勝 国体スケート
【栃木県】第69回国民体育大会冬季大会スケート・アイスホッケー競技会第4日は1月31日、日光市の霧降スケートセンターなどで競技を行った。スピードスケートは1500メートル決勝を行い、成年女子は高木美帆(日体大1年-帯南商高出)が2分7秒17で初優勝を果たした。高橋菜那(山梨学院大2年-白樺学園高出)は2分11秒84で準優勝、松田有幾(岐阜・十六銀行-白樺学園高出)も2分12秒26で3位入賞を果たし、十勝勢が表彰台を独占した。アイスホッケー少年は準々決勝を行い、インターハイを制した白樺学園高の6選手が入る北海道が8-1で青森に快勝した。(小寺泰介)
絶妙のスパートで完勝 高木美
成年女子1500メートル決勝は、高木美帆が最後の1周、狙い澄ましたタイミングでためていた力を爆発させた。他選手を鮮やかに抜き去って追走を許さず、ガッツポーズで完勝を喜んだ。
強い向かい風が吹く悪コンディションで行われた決勝は、風による体力の消耗などを避け、後方7番手からスタート。松田有幾の後ろにピタリと付き、「集団は固まって進んでいるから大丈夫」とレース展開を見極め、徐々に順位を上げた。最後の1周で余力を残して飛び出し、責任先頭(1回)を難なく完了、そのままトップスピードでゴールを突き抜けた。
シングルトラックのレースから「今の自分の滑りを判断するのは難しい」。それでも、世界選手権アジア地区予選(1月・苫小牧)の総合優勝後は氷上練習が空いたため、アップ中に「重心が体の真ん中に来ているところがある」と細かい箇所にも手を抜かない。
3月には世界選手権(22、23日・オランダ)に加え、W杯第5戦(同7~9日・ドイツ)で、前半戦にかなわなかった得意種目での出場が決まったばかり。「1500メートルで滑れるようになったことを大事にしたい。結果以上に4年後に向けて、長期的な視野で見詰めていく」と、次の五輪(平昌)へ歩みを進み始めている。
豪抑え自信深める 高橋
初めての世界シニア大会(世界選手権アジア地区予選=1月・苫小牧)を経験したばかりの高橋菜那が、松田有幾や高山梨沙(富士急)ら強豪を抑えて準優勝を果たした。
「格上選手の中でも勝負ができた」と自信を深めた成年女子1500メートル決勝は、残り2周で責任先頭を完了。最後の1周で猛然とラストスパートを仕掛けた高木美帆らの背中に必死で食らい付きゴールした。
今季はユニバーシアード冬季大会(昨年12月・イタリア)団体追い抜きで銀メダルを獲得。ソチ五輪代表選考会、年明けには日本学生氷上選手権など過密日程をこなし、疲労を抜く暇もないほどだったが、「国内で常に結果を出していなければ、上で戦うのは現実的に厳しい」と初めて本気で世界を意識した。
来季はW杯参戦も見据え、「結果を出す」と意欲がみなぎる。ジャパンカップ最終戦(14~16日・長野)でカルガリー(カナダ)でのレース出場権をつかむ覚悟。「高速リンクで滑る機会がほしい」とステップアップを考えている。
思った以上に疲れた
少年男子1500メートル4位・松井友汰(池田高2年)の話
2着ゴールだったが、足が思った以上に疲れていて最終周に狙っていた責任先頭を取ることができなかった。リレーのアンカーも任されているので、良い結果を残して全日本ジュニアにつなげていきたい。
一戦一戦を大事に
成年女子1500メートル3位・松田有幾(岐阜・十六銀行-白樺学園高出)の話
スタートから積極的に前へ行こうと思ったが、アウトスタートで行けなかった。風が強かったので、結果的には体力を温存できて良かった。ソチ五輪代表選考会で負けてから喪失感があり、練習に力が入らず最低限のことだけをしてきた。今後のことはシーズンが終わって考える。今は一戦一戦を大事に戦いたい。
(1月31日、関係分)
<スピード>
【男子】
◆少年
◇5000メートル
▽予選2組
(1)小川拓朗(白樺学園高)7分29秒45・決勝へ
▽同3組
(1)岡田樹(帯南商高)7分39秒76・決勝へ
◇2000メートルリレー
▽予選1組
(1)北海道2分35秒43・決勝へ
◆成年
◇1000メートル
▽準決勝1組
(1)今野陽太(開西病院)1分18秒57
(3)戸田真也(山梨・山梨学院大-白樺学園高出)1分25秒03・以上決勝へ
(5)小坂龍(神奈川・専大-白樺学園高出)1分18秒98
▽同2組
(2)大和田司(味のちぬや-北翔大、白樺学園高出)1分21秒16
(3)小室拓也(東京・明大-白樺学園高出)1分26秒77・以上決勝へ
◇5000メートル
▽予選1組
(1)小川翔也(神奈川・専大-池田高出)7分6秒11・決勝へ
(5)道下雅史(岐阜・十六銀行-専大、白樺学園高出)7分13秒42
▽同2組
(4)高浪健太(山梨・山梨学院大-白樺学園高出)7分28秒93
▽同3組
(1)森哲平(北斗病院)7分13秒60・決勝へ
(4)小川新太(東京・明大-白樺学園高出)7分17秒97
▽同4組
(1)山澤諒(埼玉・大東大-池田高出)7分41秒59・決勝へ
◇2000メートルリレー
▽予選1組
(2)北海道2分38秒16・決勝へ
<スピード・決勝>
(1月31日・シングルトラック、7位以下関係分)
【男子】
◇1500メートル
▽少年
大会記録 山中 大地(長野)1分51秒43
(1)高石 悠斗(山形)1分59秒56
(2)石川 将之(山梨)2・8・16
(3)上原 悠馬(北海道)2・22・50
(4)松井 友汰(池田高)1・59・68
(5)久野 洸揮(山梨)2・1・43
(6)横山 碧生(山形・山形中央高-池田中出)2・4・84
◇1500メートル
▽成年
大会記録 三輪 準也(千葉)1分49秒77
(1)小田 卓朗(山形)1分56秒36
(2)藤野 裕人(千葉)2・8・91
(3)若林 大季(栃木)1・59・87
(4)森永 一帆(山形)2・25・02
(5)今野 陽太(開西病院)2・25・02
(6)大林 昌仁(長野)2・25・41
(7)小川新太(東京・明大-白樺学園高出)2・25・72
【女子】
◇1500メートル
▽少年
大会記録 大津 広美(北海道)2分5秒67
(1)水澤 彩佳(福島)2分7秒82
(2)亀井萌々野(山梨)2・7・99
(3)佐藤 綾乃(北海道)2・9・79
(4)山田 梨央(長野)2・16・91
(5)原田 梨央(白樺学園高)2・8・38
(6)藤森 美希(長野)2・9・37
◇1500メートル
▽成年
大会記録 石澤 志穂(北海道)2分1秒75
(1)高木 美帆(日体大-帯南商高出)2分7秒17
(2)高橋 菜那(山梨学院大-白樺学園高出)2・11・84
(3)松田 有幾(岐阜・十六銀行-白樺学園高出)2・12・26
(4)門 奈津実(富山・ダイチ-白樺学園高出)2・16・53
(5)松岡 芙蓉(山梨)2・9・89
(6)川口 愛莉(神奈川・日体大-帯南商高出)2・10・56
<アイスホッケー>
◆少年
◇準々決勝
北海道 8(1-0 4-0 3-1)1 青森
▽得点者
【北】
(1)桶屋→松野→桂川(1P11分30秒)
(2)新井→平野→古川(2P41秒)
(3)稲村→中島→小泉(2P1分17秒)
(4)寺尾→簑島(2P2分54秒)
(5)山崎→寺尾→平野(2P3分16秒)
(6)寺尾(3P3分21秒)
(7)山崎→寺尾→平野(3P12分26秒)
(8)古川→平野→寺尾(3P16分33秒)
【青】
(1)沢崎→沼田→坂本渓(3P15分32秒)
▽反則
【北】4(小泉、寺尾、中島、山崎)
【青】2(田中、坂本渓)
▽シュート数
【北】78(21、26、31)
【青】23(6、7、10)