高木美帆総合Ｖ スケート世界選手権予選
世界選手権アジア地区予選の女子総合で優勝を飾り笑顔を見せる高木美帆（日体大－帯南商高出）
【苫小牧】スピードスケートの世界選手権（３月、オランダ）アジア地区予選会最終日は１２日、苫小牧ハイランドスポーツセンターで男女各２種目が行われた。女子はソチ五輪代表を逃した高木美帆（日体大）が１５００メートルで２位、５０００メートルで３位に入り、総合１７４・０３０で１位となった。ソチ五輪代表の藤村祥子（宝来中央歯科）は１５００メートル４位、５０００メートル１位で総合５位。日本の出場枠は２にとどまった。男子は阿部大輝（クレアシオン・インベストメント）の４位が最高。五輪代表のウィリアムソン師円（山形中央高）が１万メートルを棄権するなど、出場枠獲得はならなかった。総合１位はドミトリー・バベンコ（カザフスタン）。併催のアジア距離別選手権は、１０００メートルの男子で大和田真（北翔大４年－本別高出）が優勝、長谷川翼（日大２年－白樺学園高出）が２位。同女子は永田希絵（高崎健大１年－帯南商高出）が２位となった。
（岡部彰広、金野和彦）
【世界選手権アジア地区予選・女子１５００メートル】２位に入賞した高木美帆（日体大－帯南商高出）の力走
高木美帆、平昌五輪に向け「残り３カ月で変われるように」
「今回は、滑りをどうしようとか考えなかったのが大きかった」。五輪落選の選考会、再スタートのインカレに続き、代表枠を争う重要な大会に臨んだ高木美帆は、余計な思いを意識の外に置いて２種目を滑走。総合１位をもぎ取るとともに、出場枠をつかみ取った。
今回エース格だった穂積雅子（ダイチ）が５００メートル失格で退いたとはいえ、存在感を見せた。得意の１５００メートルで総合２位の趙欣（ジャオ・シン＝中国）に小差で競り負けたが、再び同走となった最終５０００メートルでは、７秒半以上の差を詰められなければ総合１位が取れることを計算しながら滑走した。
ラップタイムは速くはなかったが、フォームが最後まで安定した。終盤には相手との差も広げた。「割と粘れましたね。雪が降っていましたが、暗い気持ちにならずに滑ることができました」。日体大の青柳徹監督も「（アジア予選を）１番で通過するため、何をすべきかということを分かって滑っていた。それは前向きになっているということだと思う」と、復調を感じ取った様子だ。
ソチ五輪落選となったものの、３月の世界選手権の３年連続出場を自力で決めた。「自分は１度気持ちが切れると全部振り出しに戻る気がしてしまうので、３月までレースがあるのは、来シーズンに向けていいこと」と話した。さらに「世界のレベルは高い。５００メートルで３位にも入れない。通用するには何段階も上げなければならないですね。（平昌五輪までの）４年は短い。来年からではなく、残り３カ月で何か変われるようにしたい」と明るい口調が戻ってきた。
【世界選手権アジア地区予選・女子５０００メートル】レース後、観客の声援に笑顔を浮かべる藤村祥子（宝来中央歯科）
藤村５０００で１位 五輪へ向け反省
藤村
○…藤村祥子は、悪天候の中、世界選手権アジア予選５０００メートルでトップタイムをマークしたが、「ラップタイムが結構上下してしまった」と大会初日に続いて反省を口にした。
５００メートルを失格し、アジア距離別選手権に回った穂積雅子（ダイチ）にタイムでも敗れた。「（蹴る）タイミングが悪く、直線でスピードに乗れなかった」。
五輪を控えて「まだまだ課題が残されている。あとの期間を頑張りたい」と、１３日からの長野での合宿で、もうひと皮むけるつもりだ。
【アジア距離別・男子１０００メートル】表彰台で金メダルを掲げる大和田真（北翔大－本別高出）
リラックスして金
大和田真
○…ソチ五輪出場を逃した大和田真が、アジア距離別選手権で得意種目の一つ１０００メートルを制した。「国体出場を辞退し、これでシーズンオフになるかもしれないので、しっかり滑っておこうと思っていました」と結果にまずまずといった表情。
帯広開催のインカレは、気合こそ入っていたが、その気持ちとは裏腹に体が理想についていかなかった。今回は国際大会とはいえ、失うものがなかったこともあり、最後までリラックスして滑ることができたという。「金を取れるところで取れてよかったです」
（７位以下関係分）
＜世界選手権アジア地区予選＞
【男子】
▽１５００メートル
（１）ドミトリー・バベンコ（カザフスタン）１分５２秒４９
（２）楊 帆（中国）１・５３・５４
（３）中村 奨太（ロジネットジャパン）１・５４・８９
（４）マクシム・バクラシキン（カザフスタン）１・５６・２５
（５）阿部 大輝（クレアシオン－日大、白樺学園高出）１・５６・４５
（６）孫 龍将（中国）１・５６・６６
（８）ウィリアムソン師円（山形中央高）１・５７・１２
▽１万メートル
（１）ドミトリー・バベンコ（カザフスタン）１４分２３秒９８
（２）孫 龍将（中国）１４・３８・９０
（３）楊 帆（中国）１４・４５・１９
（４）阿部 大輝（クレアシオン－日大、白樺学園高出）１４・５５・６９
（５）マクシム・バクラシキン（カザフスタン）１５・１０・０８
▽４種目総合（最終成績）
（１）ドミトリー・バベンコ（カザフスタン）１６１．３４５
（２）楊 帆（中国）１６２．７１７
（３）孫 龍将（中国）１６３．６６５
（４）阿部 大輝（クレアシオン－日大、白樺学園高出）１６５．１４５
（５）マクシム・バクラシキン（カザフスタン）１６６．６３８
【女子】
▽１５００メートル
（１）趙 欣（中国）２分３秒７３
（２）高木 美帆（日体大－帯南商高出）２・３・９８
（３）李 奇時（中国）２・５・９５
（４）藤村 祥子（宝来中央歯科）２・６・９４
（５）劉 晶（中国）２・７・７１
（６）高橋 菜那（山梨学院大－白樺学園高出）２・７・８４
▽５０００メートル
（１）藤村 祥子（宝来中央歯科）７分３９秒７２
（２）高橋 菜那（山梨学院大－白樺学園高出）７・５１・４５
（３）高木 美帆（日体大－帯南商高出）７・５４・０８
（４）劉 晶（中国）７・５４・７８
（５）李 奇時（中国）７・５７・４３
（６）趙 欣（中国）７・５８・４１
▽４種目総合（最終成績）
（１）高木 美帆（日体大－帯南商高出）１７４．０３０
（２）趙 欣（中国）１７５．２１９
（３）李 奇時（中国）１７８．００２
（４）劉 晶（中国）１７８．１９１
（５）藤村 祥子（宝来中央歯科）１７８．３１０
（６）高橋 菜那（山梨学院大－白樺学園高出）１７９．２７６
＜アジア距離別選手権＞
【男子】
▽１０００メートル
（１）大和田 真（北翔大－本別高出）１分１３秒７２
（２）長谷川 翼（日大－白樺学園高出）１・１４・７２
（３）白 秋明（中国）１・１５・２６
▽１５００メートル
（１）ドミトリー・バベンコ（カザフスタン）１分５２秒４９
（２）楊 帆（中国）１・５３・５４
（３）中村 奨太（ロジネットジャパン）１・５４・８９
（４）マクシム・バクラシキン（カザフスタン）１・５６・２５
（５）阿部 大輝（クレアシオン－日大、白樺学園高出）１・５６・４５
（６）孫 龍将（中国）１・５６・６６
（８）ウィリアムソン師円（山形中央高）１・５７・１２
▽１万メートル
（１）ドミトリー・バベンコ（カザフスタン）１４分２３秒９８
（２）孫 龍将（中国）１４・３８・９０
（３）楊 帆（中国）１４・４５・１９
（４）阿部大輝（クレアシオン－日大、白樺学園高出）１４・５５・６９
（５）マクシム・バクラシキン（カザフスタン）１５・１０・０８
（６）アルチュル・セルギエンコ（カザフスタン）１５・１２・６３
【女子】
▽１０００メートル
（１）張 紅（中国）１分１９秒０６
（２）永田 希絵（高崎健大－帯南商高出）１・２４・３１
（２）李 丹（中国）１・２４・３１
（４）樋 沙織（日本電産サンキョー）１・２４・５８
▽１５００メートル
（１）趙 欣（中国）２分３秒７３
（２）高木 美帆（日体大－帯南商高出）２・３・９８
（３）李 奇時（中国）２・５・９５
（４）藤村 祥子（宝来中央歯科）２・６・９４
（５）劉 晶（中国）２・７・７１
（６）高橋 菜那（山梨学院大－白樺学園高出）２・７・８４
▽５０００メートル
（１）穂積 雅子（ダイチ）７分３２秒５３
（２）藤村 祥子（宝来中央歯科）７・３９・７２
（３）高橋 菜那（山梨学院大－白樺学園高出）７・５１・４５
（４）高木 美帆（日体大－帯南商高出）７・５４・０８
（５）劉 晶（中国）７・５４・７８
（６）李 奇時（中国）７・５７・４３
