高木美1500m頂点に、氷上インカレ
第86回日本学生氷上競技選手権大会(日本学生氷上競技連盟、帯広市、帯広市教委主催)第3日は8日、明治北海道十勝オーバル、帯広の森アイスアリーナ、帯広の森スポーツセンターの3会場で競技を行った。スピードスケートは男女5種目を行い、女子1500メートルで高木美帆(日体大1年-帯南商高出)が、2分1秒70の大会新で優勝した。男子1万メートルでは小川翔也(専大1年-池田高出)が14分7秒31の大会新で準優勝した。同1500メートル2部は中山航(大東大1年-帯三条高出)が頂点に立った。
アイスホッケーは準決勝を行い、佐藤光(4年・白樺学園高出)が主将の明大が大会2連覇中の中央大に5-3で勝利。早大は6-3で関西大を下し、それぞれ9日の決勝に進出した。
フィギュアは男女Aクラスのフリースケーティングを行い、男子Aクラスの玉田佳之(帯広大谷短大)はほぼノーミスで滑り、ショートプログラムの22位から17位へと順位を上げた。(小寺泰介、宮木宗久)
<スピードスケート>
平昌へ「しっかり考える」
五輪選考会後の初戦
「美帆、頑張れ!」。高校卒業後に初めて帯広で迎えた大会で、観客の声援を一身に受けた高木美帆が、得意の1500メートルで大会新記録を樹立する快走。表彰式では、友人らから両手いっぱいのプレゼントをもらい、「代表選考会の後の最初の大会が地元で本当によかった」と笑顔を見せた。
正月休みもあり「カーブの捉え方やストレートのリズムが安定しない」(青柳徹監督)。それでも、1秒落としの32秒台のラップをキープでき、世界選手権アジア地区予選(11、12日・苫小牧)までに「体が動いてくるかな」と自らも好調の兆しを予感するレースとなった。
今季は出だしの全日本距離別選手権(昨年10月・長野)で6位に終わり、ワールドカップ(W杯)前半戦で同種目の代表権を逃した。1000メートルと3000メートルの転戦で「試合勘を取り戻せず、自分を苦しくした」と青柳監督。他のW杯組は第4戦(ドイツ)を終え、代表選考会約3週間前に帰国。高木は本番直前まで、ユニバーシアードでイタリアに滞在する過密日程だったことも調整不足を生んだ。
五輪への連続出場はかなわなかったが、「オリンピックが始まって、初めて本当に悔しい思いが湧いてくるはず。大きなモチベーションに変えてほしい」と青柳監督は力を込める。高木は「4年間はあっという間に過ぎるので、どういう取り組みをするべきかをしっかり考えたい」と平昌(ピョンチャン)五輪に向けて再出発を誓った。
小川(池田高出)1万準優勝 大会新
地元で成長示す 小川
○…前日の5000メートルを大会新記録で制した小川翔也が、1万メートルでも大会記録を更新して準優勝。「落ち着いて自分の滑りができた」と自信を深めた。
大学生となって2回目の1万メートル。全日本学生選手権(昨年12月・群馬)で初めて挑戦し、屋外のつらい条件下でも滑り切り、手応えをつかんだ。ただ、経験が浅い分、糸川敏彦監督の「(1周)33秒後半で押して行け」という指示に徹し、特にコーナーは蹴らずに省エネでリズムを刻むことを意識。終わって見れば、自己ベストを約1分も短縮した。
「地元で成長した姿を見せることができました」と誇らしげだった。
負傷乗り越え自己新
男子2部1500メートル優勝・中山航(大東大1年-帯三条高出)の話
去年12月の全日本学生選手権で転倒して、約1週間松葉づえの生活をしていたこともあった。この大会に合わせて練習し、自己ベストを2秒も更新できたのでうれしい。
(8日、4位以下関係分)
【男子】
◇1500メートル
(1)近藤 太郎(専大)1分50秒64
(2)小田 卓朗(早大)1・52・85・以上大会新
(3)渡部 知也(日体大-池田高出)1・53・16
(4)小坂龍(専大-白樺学園高出)1・53・81
(5)磯賢汰(日大-帯農高出)1・53・92
(6)池田崇将(専大-白樺学園高出)1・54・21
(9)金野樹(日大-池田高出)1・56・24
(11)紺野潤平(日大-白樺学園高出)1・57・16
(17)寺町巧(日体大-帯農高出)1・59・26
(18)岸田昌也(山梨学院大-白樺学園高出)2・1・16
◇2部1500メートル
(1)中山 航(大東大-帯三条高出)1分55秒85
(2)中尾 光杜(信州大)1・56・03
(3)居城 和樹(信州大-帯南商高出)1・56・76
(6)山澤諒(大東大-池田高出)1・57・69
(7)松浦孝則(道教大釧路校-帯三条高出)2・1・62
◇2部5000メートル(カルテット)
(1)黒岩宗一郎(東洋大)7分4秒37
(2)本間 浩太(大東大)7・16・24
(3)横平 幸輔(東洋大)7・19・67
◇1万メートル(カルテット)
(1)土屋 良輔(専大)14分2秒97
(2)小川 翔也(専大-池田高出)14・7・31
(3)大林 昌仁(山梨学院大)14・9・37
(4)千葉将志(明大-白樺学園高出)14・15・72
(6)小川新太(同-同)14・22・88・以上大会新
(9)高浪健太(山梨学院大-同)14・36・79
(14)下坂和彦(日体大-帯三条高出)14・50・62
(15)久保渉吾(日大-池田高出)14・51・63
【女子】
◇1500メートル
(1)高木 美帆(日体大-帯南商高出)2分1秒70
(2)阿部 友香(高崎健大)2・4・40
(3)高橋 菜那(山梨学院大-白樺学園高出)2・5・64・以上大会新
(6)山田真以(日体大-帯三条高出)2・8・07
(12)福地加奈(大東大-釧路商高、駒場中出)2・12・97
(14)按田心(信州大-帯三条高出)2・14・19
<アイスホッケー>
決勝は明大×早大 中央大、3連覇ならず
白樺出身選手王者撃破に貢献 明大
○…3年ぶりの優勝を目指す明大が、インカレ2連覇中で今季無敗の中央大を撃破。佐藤光主将は「自分たちのプレーができた」と決勝に向け手応えを感じていた。
第2ピリオド(P)には反則が重なる荒れた展開となったが、佐藤主将やGK伊藤優人(4年・白樺学園高出)が積極的に声を掛けて落ち着かせるなどリーダーシップを発揮。
オフェンスでは大椋舞人(2年・同)が1得点1アシストをマークするなど活躍し、「チームの盛り上げに一役買えた」と笑顔を見せた。チームの雰囲気も状態も上がっており、佐藤主将は「地元での大会なので応援も多い。決勝でも自分たちのプレーを貫きたい」と力を込めた。
敗退を悔やむも3決へ意欲新た 中央大・小野田
○…インカレ3連覇を目指していた中央大だったが、明大に2-5で敗退した。
第1Pは立ち上がり1分に先制点を奪うなど優勢に試合を進めたが、第2P以降劣勢に立たされた。
「絶対的な守護神」(腰越雅敬コーチ)というGK小野田拓人(3年・清水高出)を中心に堅守を誇ってきただけに小野田は「焦りはなかったが、悪い流れを止められなかった」と悔やむ。
3位決定戦は昨年の決勝と同じ顔合わせに。小野田は「4年生とプレーできる最後の試合。勝って終わりたい」と気持ちを切り替えた。
立ち上がり失点ペースつかめず 関西大
○…初優勝を狙っていた関西大だが、早大のスピードと堅守に阻まれ、2年連続の決勝進出を逃した。
昨年の準決勝でも早大と対戦し、このときは7-1で勝利したが、鈴木宣夫コーチは「相手も研究しており、厳しい試合になると予想していた」と話す。
第1ピリオド(P)は立ち上がりに失点し、早大ペースに。第2P以降は清水高出のFW晒谷凌太(2年)、DF脇本真吾(3年)らが何度もゴールに迫り、シュート数でも上回ったが、逆転には結び付かなかった。
3位決定戦に向け、晒谷凌は「持ち味のパワーとスピードを生かしたプレーで、引退する4年生の引き立て役になりたい」と活躍を誓った。
◇準決勝
明大 5(1-1 1-0 3-1)2 中央大
▽得点者
【明】大椋、北島、上野滉、高橋、松金
【中】越後、星
▽アシスト
【明】高橋、大澤、上野滉、大津、松金、北島、大椋
【中】伊藤、中島、小野寺、鈴木
▽反則
【明】8
【中】5
▽シュート数
【明】35(7、11、17)
【中】37(12、12、13)
▽審判=川口、村瀬健、亀田、津野
早大 6(3-1 2-0 1-2)3 関大
▽得点者
【早】三浦、池田、堰合、羽刕、松浦、寺井
【関】館田、晒谷凌、浪岡
▽アシスト
【早】松浦2、石川、羽刕、勝田、山田、池田、青木、寺井、三浦
【関】浪岡2、津久家、館田、晒谷凌
▽反則
【早】4
【関】4
▽シュート数
【早】38(20、8、10)
【関】41(10、15、16)
▽審判=キモ、川村、小野崎、木村恵
<フィギュア>
ジャンプ全て成功 フィギュア・玉田
○…前日のショートプログラム(SP)は緊張からジャンプの失敗が続いた玉田佳之だったが、フリースケーティングでは全てのジャンプを成功させるなどほぼノーミスで演技を終え、晴れやかな笑顔を見せた。
安全策を取ってトリプルからダブルに難度を落とした立ち上がりのサルコーを確実に決めて勢いに乗った。観客の手拍子も味方につけ、終盤のジャンプもしっかりと着地を決めるなど最後までのびのびと演技した。
「いつも以上の滑りができた」と語る一方、17位に終わり「SPをやり直す」と新たな目標を立てた。
(2位以下関係分)
【男子】
◇Aクラス
▽個人戦
(1)坪井遥司(岡山大)209・84
(17)玉田佳之(帯大谷短大)120・49
▽団体戦
(1)明大45点
【女子】
◇Aクラス
▽個人戦
(1)西野友毬(明大)157・54
▽団体戦
(1)関大96点