車に傷 被害20台超 芽室の公営住宅
帯広署、器物損壊で捜査
【芽室】芽室町西4ノ9にある公営住宅地の一角で、駐車中の車が傷付けられる被害が相次いでいる。被害台数は20台以上に上り、いずれもボディーの広い範囲に人為的な引っかき傷が付けられるなど被害状況が似ていることから、帯広署は連続器物損壊事件とみて捜査している。
複数の住民によると、被害が出始めたのは昨年11月中旬ごろ。被害は公営住宅入居者の車に集中し、青空駐車の車ばかりではなく、車庫内に止めてあった車にも傷が付けられた。いずれも硬く鋭利なものを押し当て、円状に引っかいたような傷がボンネットやドアなど広い範囲に及ぶ。
被害の発生時間帯は昼夜を問わず、住民が車から離れた数分間に傷付けられたケースも。11月21日には、1日だけで少なくとも9台が被害に遭い、数日後に同じような傷を付けられた車も少なくない。
住民から被害の届け出を受けた同署は、同一犯による悪質ないたずらや嫌がらせの可能性もあるとみて捜査を進めている。住民から駐車場周辺で不審な男を目撃したとの情報も得ているが、周辺のパトロールを強化した12月中旬以降、新たな被害が確認されておらず、現時点で不審人物の特定などには至っていない模様だ。
一時的に被害が止まっているとはいえ、被害に遭った住民の多くは、十数万円をかけて車を修理したり、別の場所に駐車スペースを借りるなど生活に打撃を与えられたまま。被害が集中する一角から約200メートルの南東には芽室西小学校もあり、住民の間では「子供に危害が及ぶような事件に発展しなければいいが」と心配も広がっている。
同署は引き続き周辺の巡回を強化するなどし、事件解明を急ぐ構えだ。