人の優しさ感じ完走 フードバレーマラソン ハーフ挑戦の記者2人
3800人が参加した「フードバレーとかちマラソン2013」(4日・帯広)-。十勝毎日新聞社編集局の伊藤寛整理記者と高津祐也社会部記者がハーフマラソンに初挑戦し、何とか完走を果たした。2人が“奮走”を振り返った。
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「負けないで」最後まで心に
「こんなにも参加者が多いとは」-。午前8時半、雲ひとつない晴天の下、藤丸前の平原通は子供から大人まで大勢の人で埋め尽くされていた。人の多さに圧倒されつつ、スタート地点に立った。号砲まであと10秒。ドクドクと鼓動が早まる。10、9、8、7…全員でカウントダウンし、つられるように勢いよく駆けだした。
白樺通の直線コースに差し掛かると、はるか向こうまでランナーが続き、沿道から「頑張れ」「負けるな」と黄色い声援が飛ぶ。これまでの練習とは違う雰囲気に胸が高鳴る。「これが大会なんだ」と実感しながら折り返し地点の帯広の森を目指して走る。
途中、すでにコースを折り返した先頭ランナーとすれ違った。「速すぎる」。動揺が伝わったのか、隣で並走する男性ランナーに「自分のペースで焦らずに」と声を掛けられた。「そうだった」と思い直し、落ち着いて走ることができた。
しかし、ゴールまで残り2・5キロを切った辺りで急に息が苦しくなった。「駄目かもしれない」。弱気が出かけたとき、どこからか「勝毎頑張れ!」の声援が。すると、自然と足が動いた。沿道の応援が走り続ける原動力となったのは間違いない。感謝。
記録は2時間11分20秒。目標にしていた「2時間切り」は果たせなかったが、街全体が大会を成功させようと一体となる様子に感動した。来年以降も多くのランナーが出場し、今回以上の盛り上がりを見せてくれることを期待したい。(高津祐也)
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リタイヤ寸前…後半追い込み
「あと3分で関門を閉めます」-。第一関門(11・4キロ)を通過する際に聞こえたアナウンスに、「このままでゴールできるのだろうか」と、焦りと不安がよぎった。
前半は意識的にペースを抑えたのだが、振り返ると、最後尾に付ける運営車両が間近に迫っていた。これでは抑えすぎ。焦ってついつい、8キロから迎える帯広の森への坂道でかなりの体力を使ってしまった。
すると、1キロ当たり7分弱のペースをきちんと守って走る3人組の姿が。お願いして並走させてもらうことにした。「(制限時間の2時間半に)必ず間に合うから」と励まされると、1人で走るのとは違って全くペースが落ちないから不思議。沿道の応援も含め、他の人たちの助けがあったからこそ完走できたのだとつくづく思う。
大会後に仲間たちと行った平和園札内店で、足の痛みでふらつく私たちを見かねた店員の原田なつみさん(19)がアイシングを施してくれた。「バドミントンをやっていたので、痛む気持ちがよく分かる」との気遣い。人に支えられることのありがたみを痛感した。
けがで出られず、サポートに徹してくれた按田みさきさん(26)が「来年はみんなに勝つ」と宣言した。「もう来年の話かよ」と笑いつつ、また来年も走る動機ができたように感じた。来年は練習した仲間全員でゴールしたい。(伊藤寛)
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