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職員も子どもも交流、小1ギャップ緩やかに 帯広の森幼稚園と大空学園が初の試み

義務教育学校と幼稚園の教職員が参加した交流研修(19日、帯広の森幼稚園)

 幼稚園・保育園から小学校への進学時に起こる「小1ギャップ」が指摘される中、ギャップを緩やかにして小学校への移行をよりスムーズにしようと、帯広大空学園義務教育学校(高橋譲校長)と近隣の帯広の森幼稚園(伊賀真美園長)が連携して、教職員と園児・児童双方の交流をセットにした取り組みを初めて実施している。
(許静)

 一般的に、小学校入学時には勉強や人間関係などのギャップを感じ、「遊び中心」の生活リズムから学校の時間割通りに学校生活に慣れることが重要なポイント。具体的には、昼の給食を時間内で十分に摂取できるか、教科に必要な器具を操作できるか、保護者らから離れることに耐えられるかといったものが挙げられる。

 伊賀園長が10月、「学びと育ちの連続性を互いの施設で高めよう」と連携を打診し、高橋校長も「互いの違いを知り、理解し合うのが大切」と賛同して取り組みが始まった。例年卒園生の20%弱が、同校に進学するという縁もあった。

 連携は文部科学省が2022年度から推進している「幼保小の架け橋プログラム」に基づき、5歳児から小学校1年生までの2年間と定義される「架け橋期」の幼小接続を強化する取り組み。

 両施設は国の方針対策を踏まえ、教職員同士と子どもたち同士のそれぞれでの交流事業を計画。このうち教職員は19日、同幼稚園で「園児から1年生へ」と題して職員研修を実施。同校側から教職員2人、同幼稚園側から教諭10人が参加した。

 研修では、同校の橋岡珠恵教務主任と1年生の担任の津田佳子教諭が識字・計数など学習や、用品衣類の準備のほか、身の周りや生活習慣、社会性、交通安全といった小学校入学に向けて取り組んでほしいことを伝えた。

 幼児教育の経験もある津田教諭は「幼稚園での対応に加え、重要になるのは家庭教育。朝食を食べるかどうかだけでも、子どもの学校での集中力に影響する」などと語った。同幼稚園の佐藤あや主幹教諭は「子どもたちの豊かな小学校生活につなげるために、保護者とも共有したい」と応じた。

 子どもたちの交流も今後実施を予定する。同校を訪問する同幼稚園年長児を対象に、1年生が各班に分かれて「大空学園の1日」をテーマに発表し、「学校がどんなところ」「どんな勉強をするか」などを伝える。子どもたちの興味を引くために、ゲーム遊びの内容も用意しているという。

 一連の試みについて、伊賀園長は「卒園児の入学後の様子を思った以上に聞けてよかった。互いを知るところから始まり、スムーズに学校生活につなげていきたい」、高橋校長は「子どもが安心して渡れる橋をつくろうというのが原点。新しいつながりをきっかけに、交流を深めていきたい」と語る。

 今後に関して、伊賀園長は「教職員・子ども同士の間の交流を定期的に行いたい」と話す。高橋校長は「今回は新しい双方つながりのきっかけのキックオフミーティング。大空学園独自のスタイルを続け、地域の幼児教育施設とさらに児童・職員の行き来の交流ができれば」と話している。

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