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自分を大切にしながら「与える姿勢」で生きる~十勝の幸せな未来(4)

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 一心不乱に努力する姿勢は、日本人の美徳とされています。質素倹約や我慢も大切ですが、時に自分や他者に厳しすぎる結果を招くこともあります。心身ともに健康でなければ、豊かさや成功は遠ざかります。ですから、まずは自分を大切にし、無理をしないでください。「マイクロプレジャー」という言葉があります。これは、朝のコーヒーの香りや、お気に入りの音楽を聴くこと、庭の花を眺めたり、新聞で子供たちの活躍を知ることなど、日常の中で小さな楽しみを見つける心がけを指します。喜びに浸り、優しい気持ちになる時間を増やすことで、心身のバランスが整い、周りの人やお客様にも良い影響を与えます。社会が不安定な時ほど、こうした工夫や知恵が活きてくるのです。

 先が見通しにくい状況下で事業を継続させるには、お客様に価値を届け、喜びを広げなければなりません。そのためには、企業は社員が働きやすい環境を整え、無理をしないように配慮する必要があります。社員が健康で活き活きとしていなければ、お客様に良い製品やサービスを提供できないからです。

 また、取引先や地域に対しても、「与える姿勢」で活動することが、長期的な成功につながります。ブランド力のある企業は、有形無形の価値を提供し続けています。日々の心がけが習慣となり、それが信頼を築き、結果としてブランド力が高まって業績も向上するのです。

 個人にも同じことが言えます。十勝の皆様、どうか自分を大切にしながら、周りの人に「与える姿勢」で接してください。ほんの少しの親切で構いません。「ギブ&テイク」と言いますが、与えることで得られるものは、お金や物だけではありません。信頼や感謝、やりがいや生きがい、美しい思い出など、目には見えないけれど最も大切なものが得られます。

 最後にお伝えしたいのは、個人も企業も、「十勝がこうなったらもっと素敵だなあ」「将来、子供たちがこんな風に笑顔で過ごしていてほしい」といった明るい展望を思い描きながら、周りの人に心を寄せ、お客様に価値を与えてください。そうした良いサイクルが広がるほど、十勝全体が喜びで満たされ、豊かさがさらに高まるでしょう。今ある恵みに感謝し、自然や文化を守りながら発展させていくことこそが、十勝の幸せな未来に繋がると信じています。(終わり)

<本田光(ほんだ・ひかる)>
 1980年清水町生まれ。清水小、芽室中、帯広柏葉高、広島大学大学院・社会科学研究科博士課程後期単位取得退学。ブランディングとマーケティングの方法論を軸に、さまざまな業種の企業の経営改善や組織改革、事業開発などに携わる。父親は絵本作家の本田哲也さん。


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