フジライフ20周年 介護で支える「普通の暮らし」~先読み新年号
齊藤雄(さいとう・ゆう)社長(33)
介護保険制度が施行されて今年で25年。帯広で民間介護事業者の草分けとして成長してきた「フジライフ」は、特定施設入居者生活介護「ケアタウンとてっぽの丘るくる」を筆頭にグループホームやデイサービスセンターなど五つの事業所をこれまでに展開し、地域福祉の中核を担っています。
「福祉事業の原点は、視覚障害のある曾祖母と認知症の祖母の存在にあります」と語るのは、今年就任した齊藤雄社長(33)。目が不自由と認知症という理由から入居を拒否され続けた姿に、父・優氏(フジライフ会長)が「誰もが安心して暮らせる場所をつくろう」と、これまでの設備業から福祉事業へ異業種転換を果たしました。
街中にあるビジネスホテルを改装し、出発である介護付き有料老人ホーム「シルバーヒルズるくる」を開設。以後、複数の事業所を包括的に発展させてきました。齊藤社長も入社から10年を経て、「普通を守ること」の重要性を再認識したと言います。「特別なサービスではなく、利用者の日常を支えることが使命です」(齊藤社長)。
いわゆる「介護の2025年問題」を見据え、いち早く外国人材の育成や分業制を導入。利用者の安心と職員の負担軽減を両立するほか、見守りセンサーなどデジタル技術を活用した介護のDX化にも積極的に取り組んでいます。
今後は障害福祉事業に参入し、全個室完備のグループホームを2棟開設予定。齊藤社長は「長期的なケアが必要な分野だからこそ、快適な住環境を提供し生活の質向上を目指します」と意気込んでいます。
フジライフ20周年 介護で支える「普通の暮らし」~先読み新年号
■沿革■
2005年3月 有限会社フジライフ設立
06年3月 認知症対応型共同生活介護グループホームるくる開設
5月 介護付き有料老人ホームシルバーヒルズるくる開設
デイサービスセンターるくる開設
06年6月 株式会社へ商号変更
09年1月 高齢者専用賃貸住宅シルバーヴィラるくる開設
11年2月 特定施設入居者生活介護ベルラヴィるくる開設
13年12月 特定施設入居者生活介護ケアタウンとてっぽの丘 るくる開設
デイサービスセンターとてっぽの丘るくる開設
■概要■
本部 帯広市西3南6ノ2ノ1
資本金 1000万円
従業員 140人
年商 8億円(2024年3月期)