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効果的な秋まき小麦の赤さび病防除

道総研 中央農業試験場 病虫部 病害虫グループ 
道総研 北見農業試験場 研究部 生産技術グループ

1.背景と目的
 近年融雪後から高温傾向などの影響で、道内各地で赤さび病が多発しており、これまで指導されていたプロピコナゾール乳剤による2回防除では効果が不十分となっている。そこで、下位葉出葉時や登熟期前半の防除要否を明らかにすることで近年の赤さび病の多発傾向に対応し、開花期の赤かび病との同時防除や薬剤耐性菌リスクを考慮した新たな防除体系を構築する。

2.試験の方法
1)赤さび病の防除適期解明と多発要因の解明
  「きたほなみ」の生育特性に合わせた栽培条件での防除時期と発病、収量の関係、近年の多発要因を明らかにする。上位4葉目展葉期から登熟前半までの散布パターン別の薬剤防除効果と収量性、上位3葉の発病と収量との関係解明、有効薬剤の特性解明、赤さび病の越冬量の低減による翌年の発生への影響調査。
2)赤かび病と薬剤耐性菌リスクを考慮した赤さび病の適正防除体系の確立
  赤さび病以外の病害の防除も考慮した最適かつ最小限の適正防除体系を確立する。開花期の赤かび病との同時防除を考慮した防除体系の構築。

3.成果の概要
1)各試験区、年次の病斑面積率から算出した上位3葉のAUDPC合計値と製品収量、製粒歩合および千粒重には高い負の相関関係が認められ(図1)、上位3葉の病斑面積率は収量に強く影響した。
2)秋期の赤さび病の越冬源を減少させた結果、翌年の発生量が低減したことから、多発要因の一つとして越冬量の増加が考えられた(データ省略)。
3)次次葉の発病は次葉および止葉の発病と相関が高く、下位葉の発病は上位葉の発病に影響しており、上位2葉の発病を低減するためにも次次葉の発病を抑制する必要があると考えられた(データ省略)。
4)プロピコナゾール乳剤による慣行防除(止葉期、開花始の2回)への追加防除は、止葉期前あるいは開花始後の追加のいずれも上位3葉に対して効果を示し、防除回数が多いほど効果が高くなった(データ省略)。このことから、2回防除で十分な防除効果を得るための1回目の防除薬剤は、次次葉および上位葉の発病を抑制し、2回目の開花始防除まで効果が持続する防除効果の高さと、残効の長さが必要と考えられた。
5)赤さび病防除回数を2回で実施するための1回目防除は、次葉展葉期~止葉期が効果的であり、効果が高く残効の長いインピルフルキサム水和剤F、フルキサピロキサド水和剤Fが利用できる(表1)。2回目の防除は開花始には赤かび病にも効果的なキャプタン・テブコナゾール水和剤、プロチオコナゾール水和剤Fを散布することで、赤かび病との同時防除が可能であった(表2)。なお、次次葉展葉期の1回目薬剤散布は、効果が明らかに劣る(データ省略)ため、実施しない。
6)1回目にフルキサピロキサド水和剤Fを利用する場合は、散布時に発病が認められる葉には効果が劣るため、散布時に次次葉に発病が認められる場合は使用を控える(データ省略)。
7)従来の防除体系(プロピコナゾール乳剤の止葉期、開花始の2回防除)は中央農試では上記の防除体系に比較し効果が劣ったが、北見農試ではほぼ同等の効果を示した(表2)。
8)以上から、赤さび病のリスクに対応した防除体系モデルを示した(図2)。
*用語説明:止葉期:止葉の40~50%が完全抽出した時期、次葉:止葉の前葉、次次葉:止葉の前々葉、展葉期:各葉位の葉の40~50%が完全抽出した時期。AUDPC:病勢進展曲線下面積(小さいと防除効果が高い)

4.留意点
1)本成果は秋まき小麦の赤さび病の防除技術として活用する。
2)本防除体系は赤さび病菌の越冬量が多く発生リスクの高い圃場でも効果が期待でき、次次葉の光合成能力が高い「きたほなみ」に限らず適用できる。






詳しい内容については、次へお問い合わせください。
道総研中央農業試験場 病虫部 病害虫グループ
電話(0123)89-2001 E-mail:central-agri@hro.or.jp

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