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サウナ宿をクラウドファンディングで 帯広・美栄地区の十勝とやま農場

外山代表とサウナ小屋を荷台に載せる三菱ふそうキャンター

 畑作農家の十勝とやま農場(帯広市)は、農場内にサウナ付き宿泊施設を増築する資金をクラウドファンディングで募っている。周辺に広がる畑の風景と日高山脈が一望できる立地に、プライベートサウナと宿泊を楽しめる空間をつくる。

 クラウドファンディングサイト大手CAMPFIREで今月8日から始め、24日までに47人から72万8755円を集めた。目標額は200万円。寄付は3000円からで、企業スポンサー枠の10万円では開始初日に地方創生ベンチャーのそら(帯広市、米田健史社長)が応じた。募集はサウナの日(3月7日)前日の同6日まで。

 農場がある清川・美栄地区から同山脈を眺めると、山並み(岩内岳、十勝幌尻岳、札内岳など)は20キロにわたって地上に横たわる観音像の姿に見えることから、「カンノンサウナ」と名付ける。眺望の手前に見える敷地内の売買川支流の土手には560メートルの白樺並木も整備する。8月にオープンする予定。

十勝とやま農場から見える山並み(岩内岳、十勝幌尻岳、札内岳など)は20キロにわたって地上に横たわる観音像の姿に見える。最も高い部分が十勝幌尻岳

 ダイニングとシャワー、宿泊が入る棟、ウッドデッキ、サウナの整備費用のうち、クラウドファンディングで集めた資金をサウナに充てる。サウナ小屋は、農場で使っていた1971年式のトラック、三菱ふそうキャンターの荷台に載せる。

 就農から12年の外山隆祥代表(35)は「自己資金や融資のほかに、民間の応援を借りる手法も農業者の選択肢にしたかった。クラウドファンディングでできたサウナをうたう。広大な景観を独り占めしてほしい」と話す。

 寄付へのリターンは、金額に応じて農場が収穫した豆類やそれらを原料にした和菓子、十勝地サイダー、優待価格での宿泊など。

サウナ付き宿泊施設のイメージ図(十勝とやま農場提供)

 プロジェクトは、道東の観光情報などを発信する一般社団法人ドット道東の関係者や帯広畜産大学の学生らの協力を得ている。

 同農場は外山さんの父勝則さん(故人)の代から、農業体験する修学旅行生の宿泊を受け入れてきた。16年からトレーラーハウスや納屋を改造した民泊棟には、国内と海外18カ国・地域から延べ740人の観光客が宿泊している。(高田英俊)

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