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鹿追百年新聞「『SDGs』の先駆け」

国内最大級の瓜幕バイオガスプラント

 自然豊かで、誰もが住みやすいまちを後世に残すため、町は国連が掲げる「SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)」を、これからのまちづくりの基軸に据える。SDGsの17の目標のうち、町はこれまでも、特に環境・エネルギー分野で先駆的な取り組みを続けてきた。これらの分野への注目が高まるほど、町の先進性が浮き彫りになっている。

鹿追町 ゼロカーボンシティ宣言
すでに実績 エネルギーの地産地消 バイオガス発電や「自営線」整備

 町は今年3月、2050年の二酸化炭素実質排出量ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ宣言」を、十勝管内の自治体で初めて行った。脱炭素社会の実現に向けて同宣言を行う自治体は増えつつあるが、鹿追にはバイオガスプラントなど、すでにエネルギー地産地消に向けた取り組みの積み上げがあるところが、他地域とは一線を画す。

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チョウザメ養殖 マンゴーも栽培
 町は酪農の規模拡大に伴って課題となっていたふん尿の悪臭対策、適正処理のため、07年に中鹿追、16年に瓜幕にバイオガスプラントを建設。ふん尿を発酵させて発生するバイオガスから電気と熱を生成し、電気は主に売電、熱はチョウザメ養殖やマンゴー栽培など新たな特産品開発に活用してきた。また、ガスの一部からは水素を精製し、普及に向けた実証実験が進められている。

 バイオガスプラントの取り組みとは別に、町は20年度までに鹿追市街に「自営線ネットワーク」を構築した。役場や町国保病院、鹿追小学校など9カ所の公共施設に電力を供給できる自前の電線「自営線」を巡らせ、太陽光による電力を供給。ネットワークは蓄電池と地中熱利用システムを備え、電力を無駄なく使い切るシステムとなっている。

水素普及に向けた実証実験のため、町環境保全センターに民間企業が整備した水素ステーションと、町の燃料電池車など

全世帯への電力 供給の受け皿に
 このネットワークは、バイオガスプラントで生じる電力の受け皿となることもできる。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)終了後には、バイオガスプラントからネットワークへ電力を供給し、地域で消費することができる。

 もっとも、既存の2基のプラントだけで町内の8割の世帯をカバーできる発電量があり、計画中の3基目を合わせると全世帯の電力を賄って余りある。一方、再生可能エネルギーに対する引き合いは今後、町内外を問わず高まると予想される。自家消費するだけではなく、クリーンな電力として町外に売り出したり、バイオメタンガスや水素として活用したりと、さまざまな可能性を秘めている。

陽光に輝く然別湖。奥には十勝平野が広がる

ジオパーク
希少環境を地域活性化に 「火山」と「しばれ」

 鹿追町内全域は2013年、日本ジオパーク委員会から「とかち鹿追ジオパーク」に認定された。ジオパークもまた、SDGsに通じる取り組みと言える。

 「大地の公園」を意味するジオパークは、学術的に価値のある地質遺産を保全し、それを教育や観光など地域活性化にもつなげる取り組み。今ある環境を単に保護・保全の対象としてではなく、地域振興や防災、教育などに生かしていく点で、ジオパーク活動はSDGsとの親和性が高い。

然別湖周辺の風穴地帯に生息するナキウサギ

 とかち鹿追ジオパークは、町の地形や生態系、産業を形作った「火山」と「しばれ」がテーマ。火山活動によって然別湖や周辺の風穴地帯が生まれ、そこには日本最古の氷を含む永久凍土があり、冷たく湿った環境がナキウサギをはじめとする希少な生態系を育む。そして、火山灰地が豊かな農業を支えている。

 こうした地域の特徴を学ぶことは、地域の課題解決に資する。そして何よりも、動植物や人、産業、文化など全てをジオ(地球・大地)とのつながりの中でひもとくことを通して、グローバルな視点が養われることが期待される。4年に1度の再認定の時期を迎えた今年、町はジオパークを活用した教育や啓発活動に力を入れている。

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