雪足りない 巨大滑り台中止
記録的な少雪が続く十勝で、冬を彩るイベントの準備に影響が出ている。8日は3週間ぶりにまとまった雪が降ったものの、状況はほとんど変わらず、企画の見直しを迫られている催しも。おびひろ氷まつり(31日~2月2日・帯広市緑ケ丘公園)では恒例の巨大滑り台(高さ約7メートル、全長27メートル)の製作を中止し、代わりに丘を利用した小さな滑り台を複数造って対応することが決まった。
わずか40台分 帯広
「全然雪が足りない。ピンチだ」。おびひろ氷まつりの準備では、9日夜に帯広厚生病院駐車場からダンプカー約40台分の雪を緑ケ丘公園に運び入れた。例年300台以上必要で、雪不足で一部イベントを中止した前回でさえ、12月中に約80台の搬入を終えていただけに、大宮美紀子実行委員長は「これほど雪がないのは初めて」とため息を漏らす。
陸上自衛隊第4普通科連隊による巨大滑り台の製作だけで、ダンプカー130台以上の雪が必要。実行委は製作に間に合わないと判断して中止を決め、丘を利用した小さな滑り台で対応することを決めた。
今後まとまった雪が降れば、市内のスーパーや十勝飛行場からも搬入する。回転ソリなど他のアトラクションは15日ごろから作業が本格化する予定。大宮実行委員長は「雪がなくてもないなりに工夫する」として、降雪状況を見ながらぎりぎりまで関係団体と協議する考えだ。
広範囲から集め 鹿追
全面結氷した真冬の然別湖に、雪と氷の村をつくる鹿追町のイベント「しかりべつ湖コタン」(25日~3月22日)も、例年より広範囲から雪を集めているため、1、2日ほど作業が遅れている。
齋藤慎吾実行委員長は「(8~9日は)2桁の降雪の予報もあったので期待していたが、朝来てみると数センチ。積雪量は例年の2割ほどで、依然として全然足りない」と話す。今週末から例年通りの30人体制で、雪を凍らせたブロック造りなど作業を加速させる。
寒さでカバーを 陸別
陸別町の「しばれフェスティバル」(2月1、2日)は今後2週間の天気によって、雪で造るジャンボパチンコや滑り台の大きさが決まる。8日の雪では全く足りず、“焼け石に水”程度。吉田優樹実行委員長は「あと50センチ、どかっと降ってくれればうれしい」とし、「しばれフェスは雪というより寒さを楽しむイベント。何とか知恵を出し合ってやりたい」と話す。
(高田晃太郎、折原徹也、丹羽恭太、松田亜弓)
あすも数センチ程度
帯広測候所によると、11日は昼から夕方にかけ雪が降る予報だが、予想降雪量は帯広で3センチ、山沿いなど多いところで5センチと多くは降らない見込み。その後1週間はまとまった雪が降る可能性は低いとしている。