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大樹ロケット宇宙到達 民間単独で国内初

ごう音を上げながら、宇宙空間へ飛び立つMOMO3号機(4日午前5時45分、新井拓海撮影)

 【大樹】町内のベンチャー企業インターステラテクノロジズ(IST、稲川貴大社長)は4日午前5時45分、町浜大樹の実験場から観測ロケット「MOMO(モモ)」3号機を打ち上げた。暫定値で高度113キロまで機体は打ち上がり、2017年7月に打ち上げた初号機、昨年6月打ち上げの2号機では果たせなかった宇宙空間(高度100キロ以上)到達を、民間単独開発のロケットとしては国内で初めて成し遂げた。

 3号機の打ち上げは当初予定していた4月30日にバルブへの異物混入が見つかり延期、2日と3日も強風で見合わせた。仕切り直して臨んだ4日は、打ち上げ予定時刻の午前5時の10秒前に緊急停止したが、不具合を解消し、45分後にロケットが発射した。

 3号機は初号機が超えられなかった高度10~20キロ付近の空気圧力を最も受ける「マックスQ」を突破。予定していた2分間のエンジン燃焼で高度40キロまで到達し、打ち上げから5分程度で高度100キロに達した。機体は約9分後に太平洋に着水した。

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 IST創業者の堀江貴文氏と稲川社長は午前7時すぎ、記者団に打ち上げ成功を発表。堀江氏は「完璧な成功だった。最高のスペックを出すことができた」と強調、稲川社長は「(ここまで来るのに)長かった。商業化に向けて取り組みを進める」と述べた。

 実験場から約1・5キロ離れた町多目的航空公園は、この日も一般に開放。多数の観客が詰めかけ、人気キャラクター「初音ミク」によるカウントダウンで打ち上がったロケットを固唾をのんで見守った。

 3号機は機体を立ててエンジンを120秒間燃焼する「縦吹き」実験に2度成功させるなど、実績を重ねて本番に挑んだ。2号機に続いて高知工科大の超低周波音を観測する機器を搭載、新たに神奈川県内のスポンサー企業によるハンバーグも載せて打ち上げた。

 ISTは05年結成の民間グループ「なつのロケット団」を前身組織として、13年に設立。23年に超小型人工衛星を地球の周回軌道に投入するロケットの打ち上げを目指している。(松村智裕)
 

<観測ロケットMOMO(モモ)>
 エタノールと液体酸素を推進剤とする推力1・2トンの液体燃料ロケット。全長9・9メートル、直径50センチ。燃料を含む重量は1150キロ。


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航空宇宙基地構想-勝毎電子版

◆大樹ロケット打ち上げ動画
ロケット打ち上げ動画(打ち上げの瞬間は1:00:30ぐらいから)-十勝毎日新聞公式YouTube

◆インターステラテクノロジズについて
Interstellar Technologies Inc.-公式ホームページ

◆堀江貴文氏Twitter
堀江貴文氏のTwitter投稿-堀江貴文氏Twitter

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  • 町浜大樹の実験場から打ち上がるMOMO3号機(4日午前5時45分)

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  • 宇宙空間に到達したロケットと搭載したカメラに写った地球(インターステラテクノロジズ提供)

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