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軍馬補充部、模型で再現 本別の吉川さん資料館で展示

西仙美里にあった戦時中の軍馬補充部十勝支部を再現した模型と作者の吉川さん

 【本別】町歴史民俗資料館で開催中の企画展「本別空襲を伝える」の資料として11日、西仙美里にあった旧陸軍省の軍馬補充部十勝支部を表した模型が加わった。町弥生の自営業、吉川勤志さん(67)が製作したもので、「本別の馬も犠牲になった戦争の悲劇を、より分かりやすく伝えたい」としている。

 戦時中、軍馬補充部十勝支部(現道立農業大学校)は、馬を購入して育成、訓練し、数千頭の軍馬を中国大陸などの戦地へ送り込んだ。1945(昭和20)年7月15日の本別空襲の際は施設の一部が被弾し、2人が死亡している。

 吉川さんは、薄れていく戦争の記憶を「ひと目で分かる形にしよう」と考え、当時の写真や配置図が残る軍馬補充部の模型を思い立った。機器の修理業を営み、鉄道のジオラマづくりも趣味。製作にはベニヤ廃材を利用して建物を、土の地面にはコーヒーやお茶かすも使った。1カ月半をかけ、今月10日に完成した。

 模型は縦約1・5メートル、横約1メートル。合宿舎、油庫、馬糧庫、蹄鉄場、運動場のほか、被災した農業作業場と追込厩舎(きゅうしゃ)など40を超える施設を配置し、被災者の場所も再現した。

 吉川さんは「軍馬慰霊祭もある15日までに間に合わせたかった。建物を仕切る柵が一番苦労したが、子どもにも理解しやすい戦争の資料になれば」と語る。

 企画展は8月31日まで。入場無料、月曜休館。問い合わせは町図書館(0156・22・5112)へ。(木村仁根)

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