「きちんとした運行を」不満の声続出 相次ぐJRトラブル
【清水】22日午前に起きた、札幌発帯広行き特急スーパーとかち1号(4両編成)の潤滑油漏れ、白煙が確認されたトラブル。車内で約2時間待たされ、代替バスで定刻より大幅に遅れて帯広駅に降り立った乗客69人は、一様に疲れ切った表情を見せた。相次ぐトラブルに「整備不良のつけがきた」「きちんとした運行を」と不満の声が上がった。
列車は午前10時17分ごろ、JR根室線十勝清水駅-羽帯駅間にある平野川信号場で緊急停止。2号車に乗車していた帯広市内の保育士女性(24)は、停車から5分ほどして流れた「3号車でエンジントラブル発生」という車内アナウンスを聞き、初めて事の重大さに気が付いた。「何が起こっているか分からず不安だったが、他の乗客は落ち着いているように見えた」と当時の状況を振り返る。
運転士が油漏れを確認した3号車床下のエンジン付近からは白煙も上がり、札幌市内の主婦大木順子さん(65)は「最初は畑の野焼きと思った。もうもうと白い煙が上がっていたので、驚いた」と口にする。
運転再開を待つ間はエンジンが止まっていたため、車内の室温は上昇。途中で空調が入ったものの、乗客69人は代替バスに乗り込むまで2時間にわたって車内に缶詰め状態だった。帯広で取引先と打ち合わせ予定だった札幌市内の会社員木下修二さん(50)は「整備がしっかりされているのか疑問。今まで怠ってきことのつけが回ってきたのでは」と指摘。この日は帰札のため午後4時すぎの特急も利用する予定だったが、「乗るのは複雑な思いがするし、何より不安」と不信感を募らせた。
JR北海道は今年に入って特急から発煙、出火などのトラブルが相次いでいる。3号車に乗車し、避難を強いられた札幌市内の会社員今城大さん(28)は「週1回は出張でJRを利用するだけに、きちんと運行してもらわなければ困る。仕事にまで影響してしまう」と怒りをあらわにした。
今回のトラブルで乗客乗員にけがはなかったものの、乗客69人は定刻より約2時間半遅れで帯広駅に到着した。