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十勝坊主 浦幌で初確認 再調査で6個 明大・小疇名誉教授ら

「十勝坊主」のはっきりとした形状を確認した小疇名誉教授(左)と持田学芸員

 【浦幌】周氷河現象の一つである構造土「十勝坊主(とかちぼうず)」が町昆布刈石の山林でその形状などがはっきりと確認された。「十勝坊主」が町内で確認されたのは初めて。周辺にはほかにも複数の隆起があり、今後の調査の行方が注目される。

 町立博物館の持田誠学芸員らが昨年4月19日に発見。それから約1カ月後に現地を訪れた明治大学の小疇尚名誉教授ら4人の地理学者が「十勝坊主」と断定した。小疇名誉教授らは今月2日に再調査に現地を訪れ、笹やぶなどを刈り取り、改めてはっきりとした形状を確認した。

 今回確認された十勝坊主は、高さ約50センチ、直径1・7メートルほどの単独のものや、連結したものなど6個がまとまった形で見つかった。小疇名誉教授は「既知の分布地が内陸部であるのに対して、そこから遠く離れた白糠丘陵南端の海に近い小さな谷底で雑木林の中にある。まさかこんな所にと思われる場所だ」と話している。

 地質学者らによって十勝坊主が町内にまとまった形で残っていることが明らかとなったことを受け、持田学芸員は「十勝の原風景を残す豊かな自然が残存していることの証しであり、浦幌や十勝海岸の自然を保全していく上で重要な要素となると思う。今後は町の文化財への指定なども視野に入れて検討していきたい」としている。

 十勝坊主は十勝管内の9カ所で確認されている。帯広市(帯広畜産大学構内)の十勝坊主群は北海道の天然記念物に、更別村では北海道の学術自然保護区(勢雄地区)に、音更町では町の有形文化財に指定されている。(円子紳一通信員)

<十勝坊主>
 ドーム状の構造土(アースハンモック)の一種で、高さ数十センチ、直径1~2メートル。数千年前の寒冷な時期に氷の圧力で土が変形して形成されたものとされ、日本アルプスや大雪山などの高山帯で見られるが、平地では天北原野(道北)と道東で確認されている。管内では1950年に初めて発見され、帯広畜産大学の故山田忍氏、故田村昇市氏が名付けた。

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