薪ストーブで冬乗り切る 陸別・萩原さんの木造住宅
【陸別】日本一寒い冬を迎えた陸別町。暖房にはより気を使う地域でもある。築50年以上の木造家屋に住む栄町の萩原徳子さん(53)宅では、冷気が入る窓枠をビニールでふさぎ、何よりの強い味方となる薪(まき)ストーブで厳寒を乗り切る。
陸別の寒さは本番。今月に入り10日現在、4日間(4日連続)の全国最低気温(朝9時までのアメダス)を記録している。12日朝は氷点下20・2度。2月にかけ、氷点下20度を優に超える日々が続く。
萩原さんは陸別出身。10年前に木造2階建ての現住居に越してきた。「大昔は店舗として利用されていて、窓は大きく、それだけ冷気も入ってくる」といい、冬は窓枠にビニールを張って過ごす。
入居当時、1回だけ石油ストーブを試したが、部屋の観葉植物が凍った。以来、知人から譲り受けた薪ストーブが冬の命綱に。煙突を2階にも通して部屋中を暖めるため、外気温との差で屋根部分から家を囲むオブジェのようにつららが垂れ下がる。
1日に使う薪は約40リットルの箱3個分のカラマツやナラの木。地元の木材業者から残材の提供もあり、軽トラックで取りに行くこともあるという。住宅横の小屋にはあふれんばかりストックが積まれている。
萩原さんは日中、町のコミュニティーバスのドライバーを務めており、朝仕事に行く前に薪をくべ、帰宅後は就寝前の夜11時ごろにまた木を用意して朝6時まで火を絶やさない。「家の中で吐く息が白いっていやでしょ、ストーブの掃除は大変だけどね」と笑う。
アンティークを好む萩原さんにとって築50年以上の家は、レトロ調を地でいく住まい。大学生と高校生の娘たちの写真を飾った古い家具、かつてのピアノ、雑貨類、そして薪ストーブがリビングに花を添える。「いつまでここに住めるかしら、いい物件ない?」と明るく冗談を飛ばす。(木村仁根)
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