純十勝産ベリー発泡酒 原料の果実・麦から瓶詰めまで
食ラボとかちが試作品
年内にも店頭に登場
帯広地域雇用創出促進協議会によるプロジェクト「食ラボとかち」(高橋司プロジェクトリーダー)が、十勝産小果実を使用したフルーツビール「オベリ・ベリー」を開発した。十勝産小麦、大麦を手作業で製麦して製造し、瓶詰めまでの過程をすべて十勝管内で行った地場産の発泡酒。今後は試作品に関する意見を基に改良も加えながら、十勝管内や道内他地域の飲食店などで、年内の導入を目指している。
「オベリ・ベリー」は今年度開発された4つの商品の1つ。クラフトビール市場の拡大など多様なビールを楽しむようになったことを背景に、改めて地場産原料を使用したビールを作ろう-との思いで開発された。
名称は帯広の語源になったとされるアイヌ語「オベリベリ」と小果実「ベリー」を組み合わせ、原料は十勝産の小麦麦芽や大麦麦芽、ラズベリー、カシス、ハスカップなどを使用。特に小麦や大麦を発芽させて麦芽にする過程は帯広ビールの醸造エンジニア十河文英さんや開拓舎とかち(幕別)の協力の下、手作業で加工。試作品として750ミリリットルと375ミリリットルを製造した。ボトルに依田勉三の思いを受け継ぐ架空の醸造所「ベンゾーブルーイング」のラベルを貼るなど、ストーリー性も加えた。
2月28日には帯広市内の十勝農園で今年度の商品発表会が開かれ、「オベリ・ベリー」をはじめ、しっとりした食感のクッキー「P-CUBE」、カボチャやトウモロコシ味などが開発されたラスク「ラス子」、フリーズドライ製法を用いた「ドライ納豆」の4種類をお披露目。試食会が行われ、参加者らが熱心に味を確かめた。
高橋プロジェクトリーダーはオベリ・ベリーについて「フルーツの風味も豊かで、ビールが苦手な人でも飲みやすい味わいになった。地場産原料を多く使用しており、まずは地元の人たちに飲んでもらいたい」と話している。
食ラボとかちは帯広地域雇用創出促進協議会で行っている厚労省委託事業(2014年7月~17年3月)の名称で、商品の企画・開発からパッケージデザイン、販売ルート確立まで行う。食関連産業の活性化から雇用創出につなげる狙いで、開発した商品は希望する十勝の民間事業者へ技術移管している。(中島佑斗)