病院外がんサロン設立へ 管内初、来年2月予定 えんぽっくる
テーマ設け、悩み語り合う
がん患者・家族の支援会えんぽっくる(古城剛代表世話人)は、管内で初めて病院外にがんサロンを開設する。月に1度、男性特有がんや女性特有がん、家族の悩みをテーマに設定し、参加者が悩みを話し合う。現在、管内には病院が主催するサロンはあるが、院外に課題を細分化したサロンはない。2018年2月にも開設予定で、患者や家族が心置きなく語れる場をつくり、当事者らが支え合う環境をつくる考えだ。
えんぽっくるは、自身も大腸や肝臓のがんを患う帯広在住の古城さん(58)が16年8月に立ち上げた。帯広厚生病院が主催する院内がんサロン「エンポックル」と協調し、毎月第3水曜にサロンを開いてきた。エンポックルとの活動は今後も積極的に取り組む。
院外サロンを開設するのは、活動の中で仲間が増えるうちに「同じがんでも女性特有がん、男性特有がんがある。患者を支える家族も、当事者とは違った悩みを抱えている」(古城さん)という課題を、改めて認識したためだ。
立ち上げ当初は匿名のサポーターこそ集まったが、なかなか病気をオープンにして一緒に活動してくれる会員は出てこなかった。ただ、乳がんを患った自身の体験から「女性のがん患者を支えたい。女性の気持ちに配慮してくれる社会をつくりたい」という鈴木千鶴さん(49)=帯広=など、古城さんを含めて4人の正会員が集まった。
古城さんは「鈴木さんとともに、女性特有がんをテーマにした講演会『Pink Ribbon in おびひろ』を企画する中で、女性特有の悩みや、家族に寄り添うサロンも必要だという思いを強くした」と話す。
院外サロンでは男性特有がんの回を古城さん、女性特有がんの回を鈴木さんが担当する。鈴木さんは「普通におしゃべりする中で、悩みを打ち明けられる場所に」としている。また、管内から幅広く医療関係者の参加を募り、垣根のない環境で情報交換できるようにもする。
25日には帯広市が開催するまちづくりのアイデア発表会「Motto おび広がる プロジェクト」の公開プレゼンテーションに古城さんが参加し、多くの人が院外サロンに来てくれるよう呼び掛ける予定。(奥野秀康)