ランチで熊本支援を JICAレストラン
4月に発生した熊本地震の被災者を支援しようと、国際協力機構(JICA)北海道国際センター(帯広)のレストラン(帯広市西20南6)で、被災地支援メニューを提供している。熊本市出身の職員による企画で、料理代金の一部が義援金として現地に送られる。
「被災者のために何かしたい」と発案したのは、熊本市出身の同センター道東業務課課長補佐の佐藤恭之さん(36)。19歳まで熊本で過ごし、母や兄家族は同市内に暮らしている。母親の住む実家は塀が全て崩れ、壁にひびが入るなどの被害に遭った。兄家族も10日間ほど避難所生活を送った。
佐藤さんは「地震が発生したときは家族や友人がとても心配だった。見慣れた熊本城も大きな被害が出ていて、何度も涙した。3カ月がたったが、復興はまだこれからで、支援が必要」と話す。
今回の企画では、被災地支援に、途上国のことを知ってもらうというJICAらしさも加えようと、佐藤さんが2010~14年に赴任したミャンマーの料理「シャンカオスエ」をメニューに選んだ。
シャンカオスエは、現地の屋台などで親しまれている同国シャン州発祥の麺料理。麺はフォーを使い、トマトソースベースにチリやニンニク、ショウガを加え、ピリ辛味に仕上げた。蒸し鶏(どり)が入り、ピーナツのみじん切りとベビーリーフをトッピングした。佐藤さんは「現地を思い出す味」と懐かしむ。
1食700円で、そのうち50円が募金される仕組み。集まった募金は国際協力NGOセンター(JANIC)が実施している「熊本地震 緊急支援まとめて募金」を通じて、被災者の支援活動に充てられる。
佐藤さんは「被災地の復興を祈りつつ、ミャンマーにも思いをはせてもらえれば」と話している。
9月末までで、ランチのみの提供。営業時間は午前11時半~午後2時半(ラストオーダー30分前)、同5時半~同8時半(同)。無休。問い合わせは同レストラン(0155・35・2498)へ。(津田恭平)