自浄能力に疑問の声 ばんえい騎手携帯持ち込み
帯広市主催のばんえい競馬で、騎手2人が帯広競馬場内の調整ルーム(騎手が外部との接触を防ぐための専用施設)に携帯電話を持ち込んでいた問題は、昨年12月に発覚した厩舎(きゅうしゃ)関係者による違法な馬券購入問題を受け、再発防止策に取り組み始めた矢先に起こった。規範意識が欠如する厩舎の関係者だけでなく、市の管理態勢や責任の在り方も問われている。
馬券購入問題を受けては今年3月、新たに市や調教師会、騎手会の役員らで自主的に組織運営する「公正確保規律委員会」が立ち上がった。
市は、調教師会や騎手会が自ら勉強会などを率先して実施していくことで、厩舎関係者の意識改革を進めていこうとした。
内規で禁止されている携帯電話の持ち込みは、こうした取り組みのさなかで起こった。「自主的な取り組みを否定するものではないが、自浄能力には限界がある」と指摘するのは熊木喬市議。熊木氏は「以前から言っていることだが、外部の第三者を入れた監視態勢を整えなければならない」とする。
一方、別の市議は「昨年の事件が起きてから、(今回の問題が起きるのが)早過ぎる」とし、「再発防止策を出した上で今回の問題が起きてしまった。次はどんな対策を取るのか」とあきれる。「当事者は処分を受けるが、主催者側の責任も明確にしていかなければならない」と、市の責任の在り方についても今後、議論が出てくる可能性を示唆している。
市は今後の対策として、「3月に定めた再発防止策を改めて厩舎関係者に一つ一つ、理解させていく」とする。だが、しっかりとした効果が出てくるのか、疑問符が付きまとうのもまた確かだ。より一歩、踏み込んだ対策が求められる。
(津田恭平)