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日本一の寒さ、凍上も特大 高さ3メートル長さ60メートル 陸別

隆起した牧草地と畠野さん(右)。左は町産業振興課の津田浩之さん。津田さんが持っているポールは約2・5メートル

 【陸別】上陸別のビクトリー牧場(畠野康洋代表)の牧草地が長さ60メートル、幅30メートルにわたって最大3メートル隆起した。冬期間に起きた大規模な凍上が原因とみられ、「日本一寒い町ならではの自然現象」と、町内の話題になっている。

 隆起しているのは、同牧場から東に約5キロ先の牧草地。陸別川の上流域に位置している。約1ヘクタールのうち、同川沿いの牧草地がうねるように盛り上がっている。8日、同じ上陸別に住む小田栄一さんが発見、畠野さん(36)に連絡した。畠野さんは早速、現地に行き写真に収めた。

 隆起した土地は3月まで雪に覆われていたが、4月になって雪解けが進んだことから、“全貌”が明らかに。牧草の下の地層が見えて、場所によっては雪の層も見える。

 ビクトリー牧場では約70頭を搾乳、この牧草地で飼料用の牧草を収穫しているが、「こんな現象は初めての経験。何が原因なのか」と畠野さんは首をかしげる。

 凍上のメカニズムに詳しい帯広畜産大学の土谷富士夫名誉教授は「土層が川の水を吸い上げ、土層内にアイスレンズと呼ばれる氷の層ができて、成長し続けた結果とみられる。水と毛細管現象を起こす多孔質の土質、寒さの3つの条件が重なってできた偶然の産物。これほど巨大な凍上は国内でも例がないのでは」と話している。

 陸別では今季、例年に比べ寒さが厳しく、最低気温日本一を23回記録、町内のアメダスの最低気温は2月25日の氷点下28・8度だった。(鈴木裕之)

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