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アンモナイト里帰り、浦幌町立博物館で展示3年半ぶり

アンモナイト化石を手にする発見者の1人の佐藤さんと栗原学芸員(左から)

 【浦幌】2012年8月に町内の茂川流布川で十勝で初めて発見されたアンモナイトが里帰りし、町立博物館で常設展示されている。三笠市立博物館や北海道博物館での修復や研究を経て、北太平洋地域で最後まで生き残ったことが判明したアンモナイトは、3年半ぶりに町内に戻り町民の関心を集めている。

 このアンモナイトは同年6月のK/pg境界層の見学ツアーの際、元町立博物館長の佐藤芳雄さんらがシダの葉のような化石を発見。同年8月に天野和孝上越大教授とロバート・ジェンキンス金沢大学助教がアンモナイトの化石と指摘した。当時三笠市立博物館の主任研究員で現在は北海道博物館の栗原憲一学芸員らが来町して採取、復元し、異常巻きアンモナイト類のディプロモセラス科ディプロモセラス属「ディプロモセラス・シリンドラセアム」と断定した。

町立博物館に展示されているアンモナイト化石

 復元された化石は、太さ5センチ、長さ50センチほどのU字形で、赤褐色に輝いている。本体は非常にもろい泥岩で、100個以上の破片を接着剤でつなぎ、パラロイド樹脂でコーティングされている。

 展示を始めた8日には、栗原学芸員を講師に招き、町立博物館などがうらほろスタイル・ゼミナール「浦幌でみつかった最後のアンモナイト」を教育文化センターで開催。町内外の32人が参加した。

 栗原学芸員は「浦幌で発見された化石は、アンモナイトが絶滅する直前の約6680万年前のものと推定され、北太平洋地域で最後まで生き残っていた」と解説。巻貝との違いや現存するオウムガイやイカの仲間であることも紹介し、「復元作業はパズルを組み立てるより難しかった」とのエピソードも語った。

 化石採取が趣味の笹島基吉さん(61)=町内在住=は「化石がより身近に感じられた。今年も探しに行きたい」と話していた。

 町立博物館の持田誠学芸員は「十勝初のアンモナイト。ぜひ見に来てほしい」と来館を呼び掛けている。同館は入場無料。月曜日と休日の翌日は休館。開館時間は午前10時~午後5時。問い合わせは同館(015・576・2009)へ。(円子紳一通信員)

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