ぬかびら源泉郷「コイ釣り一日50匹 糠平湖の名人」 まちマイ上士幌編
民宿グリーン糠平・堀江さん「感覚頼り 大物の重量感が最高」
民宿グリーン糠平を経営する堀江昇さん(74)は、糠平湖を訪れる釣り人から「コイ釣り名人」と呼ばれている。「一日に50匹、一カ月で700匹釣ったこともある」。その実績は名人の名にふさわしい。
40年前に秋田県から移住し、20年前から妻の智恵子さんと二人三脚で民宿を切り盛りする。仕事の合間を縫って釣りを楽しみ、釣った魚で大物は持ち帰って写真に収めるが、他はリリース(放流)している。
糠平湖で釣りを始めたばかりの頃は、思うような釣果を残せなかった。通い詰めるうちに風向きや時間帯、水の温度、濁り具合などを見極められるようになり、今ではあらゆるポイントを熟知する。
ミミズや練り餌による餌釣りで、早朝に釣り糸を垂れるのが名人流。最大で86センチの“超大物”を釣り上げたこともあるという。湖で顔を合わせる釣り人たちと気さくに情報交換しており、「どうやったら釣れるのかとよく聞かれるが、自分の感覚しかないよ」と力を込める。
「大物を釣り上げたときの重量感が最高。興奮度が違う」と醍醐味(だいごみ)を語る口調は熱い。最近は民宿経営が忙しく、釣りをするのも数日置きだが、「魚釣りは最高のぜいたくな遊び。これからもずっと趣味として続けていくよ」。屈託のない笑顔を見せた。(佐久間正通信員)
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