写真館“マイナンバー特需” カード用撮影に高齢者続々
マイナンバー制度による通知カードの送付、個人番号カードの申請が始まったことを受け、十勝管内では高齢者を中心に、顔写真の撮影のため写真スタジオを訪れる人が急増している。証明書用の写真撮影が「例年の倍以上」という店もあるなど“特需”となっている。
個人番号カードは、ICチップ付きのプラスチック製。申請・取得は任意で、名前や住所、生年月日、性別、マイナンバー(個人番号)と本人の顔写真などが表示される。実際に交付されるのは来年1月以降。マイナンバーの提示が必要な場面で、番号を証明するため利用できる他、各種行政手続きのオンライン申請や身分証明書としても利用できる。
同カードの顔写真は、パスポートや履歴書などと同サイズの縦4・5センチ、横3・5センチ。正面を向いた状態で、無帽、無背景のものであることが条件。
カードの交付申請はオンラインでもでき、若年層は携帯電話のカメラやデジタルカメラで撮影した顔写真データを使う人が多いとみられる。ただ、公的な証明書となるため、ピントが合っていなかったり、画像の乱れがあるものは利用できないなど基準が高い。
こうした作業に不慣れな高齢者の間では、写真スタジオでの撮影、郵送での申請が主流となっているようだ。
帯広市内の「フォトプラザ910」(西2南23、工藤正志社長)では、個人番号カード用の写真撮影により、証明写真の需要が「例年の倍以上。1日20件近くの来店がある」(広沢圭司店舗統括部長)と驚く。多くは60、70代の高齢者といい、「写真の基準が厳しいので、自分で撮ったり、店に設置の証明写真機を操作したりするのは難しいのでは」(同)とみる。ミドリ写真館(西1南10)でも「通知カード郵送前の10月中旬から、年配の人を中心に来店している」(大玉公輝会長)という。
個人番号カードの有効期限が10年間(20歳以下は5年)であることから、「きれいな写真で」との思いを持つ人も多いよう。各スタジオでは「カメラマンによる撮影なので、髪や眼鏡の位置などの微調整、気配りや気遣いなどもできるのが強み」(大玉会長)と、店舗での撮影をアピールしている。(大谷健人、大木祐介)