男子帯南商初V 道高校スピードスケート学校対抗
【苫小牧】スピードスケートの第67回道高校選手権大会兼第66回道体育大会冬季競技会兼第70回国民体育大会冬季大会道予選会(道高体連など主催)最終日は23日、苫小牧市ハイランドスポーツセンターで男女の1500メートルと2000メートルリレーを行った。学校対抗の男子は帯南商が1500メートルで小原憂雅(3年)が1位、磯卓磨(2年)が2位に入り、前日まで首位の白樺学園を逆転して初優勝を遂げた。女子は白樺学園が5年ぶり17回目の頂点に立った。リレーは男女とも白樺学園が制した。女子1500メートルは小野寺優奈(帯南商2年)が2分10秒28で十勝勢最高の2位に入った。1位は2分8秒98の佐藤綾乃(釧路北陽3年)で同種目2連覇。佐藤は3000メートルとの2冠も達成した。(北雅貴)
小原、1500会心V
インフル渦 救った主将
帯南商男子がインフルエンザ禍を乗り越え、初の学校対抗の栄冠をつかんだ。男子1500メートルの小原憂雅主将(3年)と磯卓磨(2年)のワンツーフィニッシュで、15点を得たのが大きかった。最終種目のリレーも失格だけはしないバトンパスを心掛けた。前日終了時で首位の白樺学園とは11点差。小原主将は「差があったので厳しいとは思ったが、今できることを出し切ろうと思った」と話した。
東出俊一監督が「寡黙で闘志を内に秘めている。行動で引っ張るタイプ」と称する唯一の3年生の小原主将が、2週間ほど前にインフルエンザに。橋本萌生(2年)も自身は大丈夫だったが学級閉鎖で自宅待機となった。スケート部も感染拡大防止のため、調整に一番大事な時期に4日間休んだ。万全ではない中、最終日まで1位こそないものの、小原主将、橋本、磯と1年生の榊原一輝が踏ん張り、全種目で入賞していた。関井瞭(1年)も奮闘した。
1500メートルでは小原主将が積極的なレースで飛ばした。700~1100メートルのラップの落ち幅も1秒とこらえ、トップタイムでゴールに飛び込む「会心のレース」だった。全道、全国大会では中学、高校と最高成績は2位と、あと一歩で頂点を逃していた。「個人ももちろんうれしいし、学校対抗も皆で力を合わせて取れた」と2つのタイトルを喜んだ。現在全国高校総体(インターハイ)2連覇中の女子に比べると、なかなか日の目を浴びなかった男子が北海道ナンバーワンの称号を引っさげて全国へ挑む。小原主将は「ひとまずほっとしたが、まだもっと大事な大会が残っている。次は5人全員が万全な体調で臨みたい」と目を輝かせた。
女子は白樺 5年ぶり
チームに勢い、全種目安定
女子は白樺学園が全種目で安定した強さを見せて、2位の帯南商に14点差を付けて快勝した。唯一の3年生として女子をまとめる蓑田結依は「チームとして乗りに乗っていた。特に短距離陣が良かった」と、頼もしい後輩の奮闘ぶりを喜んだ。川村聖亜(2年)は1000メートルとアンカーを務めたリレーで1位。500メートルも3位と活躍し、「自分がチームを引っ張る気持ちで滑った」と堂々としていた。
蓑田主将は土曜日の全日本選手権に出場した後に駆け付け、日曜日には3000メートルで7位に入りポイントを稼いだ。疲れから最終日の1500メートルは14位に終わり、「個人としては少しふがいなかった」と苦笑い。
部員は蓑田と2年生7人、1年生4人。短距離と長距離に各2チームを作り、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。男子の後ろに付いて滑走し、速いスピードに食らいつくことでレベルアップも図った。
和田貴志監督は「長距離陣はもっとできる。(女子の)優勝は部全体にも刺激を与えたのでは」と、インターハイでの男女の頂点に期待を寄せた。
粘りに収穫復調の兆し 女子15002位・小野寺
帯広で20、21の両日に開かれた全日本選手権に出場したばかりの小野寺優奈(帯南商2年)が強行軍をものともせず、女子1500メートルで2位に入った。
11月上旬のジャパンカップ第1戦で、今回優勝の佐藤綾乃にも勝つなど絶好調だったが、その後調子を崩した。「うまく進めずにスケートが楽しくなかった。やめたくなった」と言うほど悩んだ。しかし、同選手権で日本のトップクラスの滑りを間近で見て得るものがあった。
この日は先行する同走の佐藤に必死にくらいついた。「タイムはまだ良くはないが粘れたのが収穫」。スランプを抜け出しつつあり表情は明るかった。
貢献できうれしい
男子1500メートル2位・帯南商の磯卓磨(2年)の話
学校対抗の優勝も懸かっていたので、できるだけ上位に食い込めるように頑張った。コーナーをうまく滑られた。チームに貢献できてうれしい。
<道高校選手権>(23日、7位以下関係分)
【男子】
▽1500メートル(カルテット)
日本高校記録 中村 奨太(駒大苫小牧)1分46秒87
道高校記録 中村 奨太(駒大苫小牧)1分46秒87
大会記録 近藤 太郎(駒大苫小牧)1分50秒81
リンク記録 李 鍾佑(韓国)1分50秒63
(1)小原 憂雅(帯南商)1分58秒88
(2)磯 卓磨(帯南商)2・0・53
(3)松井 友汰(池田)2・1・43
(4)大藤 智己(苫小牧工)2・1・63
(5)加藤 隼太(帯三条)2・1・93
(6)井上 一樹(釧路高専-帯八中出)2・2・61
(7)久保廉(帯三条)2・2・96
(8)小岩和輝(白樺学園)2・3・01
(10)嶋田英爾(同)2・3・33
(11)織田勇進(池田)2・3・63
(12)久保将人(帯農)2・4・18
(13)寺町司(同)2・4・39
(15)高田衛(白樺学園)2・6・40
(16)関井瞭(帯南商)2・6・49
(17)橋凌我(池田)2・6・63
(19)上田太星(帯農)2・7・41
▽2000メートルリレー
日本高校記録 白樺学園2分24秒70
道高校記録 白樺学園2分24秒70
大会記録 白樺学園2分27秒80
リンク記録 日大2分25秒17
(1)白樺学園(高田衛、小岩和輝、嶋田英爾、松本健太)2分33秒68
(2)帯南商(榊原一輝、磯卓磨、小原憂雅、橋本萌生)2・35・71
(3)帯農(辻本一史、及川忍、久保将人、寺町司) 2・38・68
(4)苫小牧工(當房尚太、大藤智己、淵野涼太、浜田晃輝)2・53・58
※帯三条、池田は失格
▽学校対抗
(1)帯南商41
(2)白樺学園39
(3)駒大苫小牧21
(4)池田20
(5)帯農16
(5)釧路商16
(7)帯柏葉12
(7)帯工12
(10)芽室8
(11)帯三条6
(13)鹿追2
【女子】
▽1500メートル(カルテット)
日本高校記録 高木 美帆(帯南商)1分56秒16
道高校記録 高木 美帆(帯南商)1分56秒16
大会記録 高木 美帆(帯南商)2分3秒00
リンク記録 田畑 真紀(苫小牧スケート連盟)2分3秒56
(1)佐藤 綾乃(釧路北陽)2分8秒98
(2)小野寺優奈(帯南商)2・10・28
(3)高山 瑞穂(駒大苫小牧)2・12・43
(4)澤尻磨里英(白樺学園)2・17・18
(5)川上 琴子(帯農)2・17・49
(6)桑原 彩奈(池田)2・17・55
(7)加藤梨乃(池田)2・18・44
(8)山澤清楓(同)2・18・53
(9)酒井嘉子(白樺学園)2・18・55
(10)木村茉悠(帯三条)2・19・16
(11)松浦純奈(同)2・19・91
(12)小原萌華(帯南商)2・20・23
(14)蓑田結依(白樺学園)2・22・09
(15)笠原あかり(帯南商)2・22・21
(16)原中美帆(帯三条)2・23・18
(18)津田夏帆(芽室)2・23・54
(19)石黒奈那(帯工)2・23・78
(21)森本里穂(帯農)2・25・41
(23)小川菜々子(鹿追)2・28・13
(24)増田愛理(帯工)2・34・58
▽2000メートルリレー
日本高校記録 白樺学園2分41秒31
道高校記録 白樺学園2分41秒31
大会記録 帯南商2分41秒55
リンク記録 信州大2分42秒74
(1)白樺学園(能戸若菜、佐々木美里、持田あかり、川村聖亜)2分52秒20
(2)池田(虫狩光桜、延与ひより、山澤清楓、齊藤萌)2・53・78
(3)帯南商(浅野実久、森夏々子、笠原あかり、小野寺優奈)2・56・04
(4)帯三条(原茉畝、木村茉悠、三輪奈那子、薩田結華)2・56・37
(5)帯農(冨田夏未、嶋木葵、川上琴子、宇佐見鈴音)3・10・72
▽学校対抗
(1)白樺学園41
(2)帯南商27
(3)池田26
(4)帯農24
(5)釧路北陽16
(6)釧路江南14
(7)帯三条11
(9)芽室4
<国体道予選>(23日)
【男子】
◇1500メートル(カルテット)
▽少年
(1)高橋 孝汰(白樺学園)2分14秒42
(2)丸山 仁(帯農)2・15・02
【女子】
◇1500メートル(カルテット)
▽少年
(1)新田 恭子(池田)2分18秒43
(2)瀧上つくし(白樺学園)2・19・75
(3)太齊 果菜(白樺学園)2・22・41
(4)計良 波輝(池田)2・22・63
(5)岡崎 小春(白樺学園)2・23・36
(6)薩田 結華(帯三条)2・23・48
(7)佐々木菜花(帯三条)2・24・80
(8)本庄永(池田)2・25・09
(9)三輪奈那子(帯三条)2・26・64
(10)玉沢日菜(白樺学園)2・27・28
(11)渡邊莉帆(池田)2・29・36
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