「大地に迷惑かけないため判断」石川衆院議員、辞職表明
生活の党・小沢一郎代表の政治資金団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反の罪で、二審の東京高裁でも有罪判決を受け上告中の、新党大地・石川知裕衆院議員(39)は16日夜、帯広市内で開いた連合後援会の拡大役員会で「どうしても罪を認められない。職を辞さなくてはならない」と述べ、議員辞職を表明した。裁判については「検察のでっち上げに断固闘う。自分の義を貫きたい」と改めて継続を強調した上で、「もう1回、(有権者に)信を仰げるような戦いをしていきたい」と国政復帰への意欲も示した。
自身の連合後援会と、大地の鈴木宗男代表の十勝総連合後援会の拡大役員会後に開いた記者会見で石川議員は、辞職を判断した理由について、昨年の衆院選で大地で比例復活した経緯に触れ「夏の参院選は大きな戦い。(裁判を抱えたまま)大地唯一の国会議員として、先頭に立つ旗振り役にふさわしいか。大地に迷惑を掛けないよう職を辞するのが適当だと判断した」と説明した。
今後の政治活動については、大地の党員資格がある年内は党員として活動し、来年以降は裁判の結果も踏まえながら、鈴木代表やかつて代表を務めた民主党十勝、支持団体の連合と協議していく考えを示し、「この3者と連携しながら政治活動を続けていく意志に変わりはない」と述べた。
一方、鈴木代表は会見には同席しなかったが、記者団に「石川さんの決断は極めて重い」と述べ、今後の石川議員の立ち位置について「将来も考え、動きやすいように石川さんの考えを最優先して相談に乗っていきたい」との考えを明らかにした。
石川後援会は拡大役員会で(1)存続して活動(2)当面は裁判支援に集中(3)今後の活動は別途検討-を確認し、藤浦義弘会長は「苦渋の選択だが、非常に優れた政治家で十勝の財産。今後も支える」と語った。
石川議員は17日午後に衆院議長宛に辞職願いを提出する。石川議員の辞職により、昨年の衆院選の比例で大地の惜敗率が2位だった鈴木代表の長女・貴子氏(27)が繰り上げ当選する。(高田敦史)