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編集余録「年賀状」

 今年は東日本大震災からの復興に向けた思いを年賀状に込める傾向が目立つという。年賀状には「健やかで幸せに」の願いが込められる。その願いが、私的なものから「みんなが健やかで幸せに」と変わったということだろうか

▼少し以前だが、テレビを見ていて作家の佐藤愛子さん(88)が毎年楽しい年賀状を出しているのを知った。孫娘さんと一緒の写真を印刷するのだが、それが振るっている

▼お孫さんが幼稚園児だったときは同じ幼稚園児に変装し、高校生になったときは女子高生の制服姿で写真に収まった。「コスプレ」である。米寿になんなんとする女性の女子高生姿を想像していただきたい

▼この年賀状は、今年10月24日に亡くなった北杜夫さんにも送られた。佐藤愛子さんの女子高生姿にただひとこと、「みっともなし」の返信が届いたという

▼かつてTBS系列で放送された「すばらしき仲間」に、佐藤愛子さん、北杜夫さん、遠藤周作さんの3人で出演したことがある。タイトルは「激論・三奇人」だったか。抱腹絶倒のトークだった。洒脱(しゃだつ)なユーモアがぽんぽん飛び出し、しまいには遠藤周作さんが「ばからしき仲間」だと笑った

▼年齢を逆手に取った佐藤愛子さんの年賀状のユーモアは、まさに「奇人」の面目躍如。笑いは再生へのエネルギーにもなる。新年の願いにはそんな笑いがあってもいい。(武内哲)

2011.12.7

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