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全道高体連 バドミントン 北大会女子・十勝勢で14年ぶり 高橋・谷口組(帯大谷)V

(16日・苫小牧市総合体育館)
 第2日は個人戦ダブルスを行った。43組が出場の北北海道女子は、優勝候補の高橋沙世・谷口亜里紗組(帯大谷3年)が準決勝で第1シードのペアに快勝しインターハイ出場権を得ると、決勝では高橋がねんざするアクシデントに遭いながらも上村由季・佐藤友都組(旭川実3年)を2−1で振り切り初優勝。十勝の高校からは1991年の横山忍・鳥本知美組(帯大谷)以来、14年ぶりの快挙を成し遂げた。最終日17日午前の全道決勝は、高橋沙・谷口組が棄権し札幌静修ペアが優勝した。北北海道男子は優勝候補の中鉢隼人・清水誠也組(帯大谷2年)が準決勝で強豪ペアを破りインターハイへ。2年生対決となった決勝は、好敵手の佐々泰知・谷藤敬典組(旭川実)に0−2で敗れ準優勝に終わった。ベスト4には帯三条の鈴木航・松岡慎也組(3年)が食い込んだ。

高橋・谷口組 負傷乗り越え勝利に歓喜
 今年1月の選抜北北海道予選の覇者、高橋沙世・谷口亜里紗組(3年)が決勝で苦しんだ末に栄光をつかんだ。第1ゲームを簡単に奪い、ペースを握って9−7とリードして迎えた第2ゲームだった。高橋がサイドラインへの球を追って左足首をひねった。相澤俊彰監督は棄権を提案したが、高橋は「やります」ときっぱり。しかし崩れたリズムは取り戻せず、逆転でこのゲームを奪われた。

 最終ゲーム前に高橋は応急処置をしたが満足に立てない状態。前になら動けるがサイドに振られれば動けず、ジャンプもできなかった。痛さと情けなさで涙する高橋。谷口も「何をしていいか分からなくなった」と思わず泣き出すほどつらい状況だった。それでも大勢の応援に後押しされながら冷静さを失わず、谷口は無理に高橋をカバーしようとはせず自分のエリアでの役割をしっかりと果たすなど互いに出せる範囲で地力を見せた。

 サーブで崩してから谷口のスマッシュなどで11−6とリード。動けぬ高橋のミスで11−12とリードを許したが、相手のミスや谷口のネット際のプレーで再度逆転。最後は高橋が腕だけで振り抜いたスマッシュが決まった。

 試合直後は「全十勝大会を初制覇した時以来」(谷口)という、互いに抱き合って勝利を喜んだ。しかし、「道内の試合では、いつも14点(ゲームポイント)を取られても勝てると思って試合をするけど、この試合は初めて負けるかもと思った」。全道制覇を目標にしてきた谷口はほっとした表情。高橋も「2位でインターハイに行っても、シードされないので意味がない。なるべく笑顔を出すようにして戦えた」と話ながらも痛さに耐えきれず笑顔はなかった。

 最終日午前の南北海道優勝ペアとの全道決勝は、結局高橋が重傷だったため棄権した。全道制覇の目標は達成できなかったが、この悔しさをばねにインターハイでは道代表の4ペア中、最高の成績を残して存在感を示さなければならない。

焦りで自分たちのプレーできず
 ○…帯大谷の中鉢隼人・清水誠也組(2年)は、北北海道決勝で旭川実の佐々泰知・谷藤敬典組(2年)に敗れ、十勝から2年ぶりとなる優勝を逃した。

 団体戦決勝で初めて戦い、勝っている相手だ。最初のゲームを落としたが、第2ゲームは11−4と大きくリードしていた。しかし「焦って決めようとしすぎた」(清水)「負けパターンになってしまった」(中鉢)。有利な展開を意識しすぎたのか、前衛の清水の速いタッチ、中鉢の力強いスマッシュの攻めパターンが影を潜めてしまった。

 インターハイ出場を決めたものの、2人には笑顔はない。相澤俊彰監督も「勝てる試合だったが気持ちが引いてしまったことで足が出なくなり、球を下の方で裁かなければならなくなってしまった。今の2年生は十勝の宝でもあるので、インターハイにはただ出るだけではないようにしたい」と2人にさらなる奮起を促していた。

ドライブ戦でのミス響く
 ○…北北海道団体を制した帯大谷の長谷川皇主将と小林哲也(3年)が個人戦ダブルスでのインターハイ出場を目指した。準々決勝でスピードのある優勝ペアに敗れはしたが、存在感を示した。

 ドライブ戦でのミスが勝敗を分けた。「速い球の攻防だったが、ラリーで先にミスしてしまった」と長谷川主将は試合を振り返った。小林も「サーブ後に返ってきた球をもっと止めることができたのに、悔いが残る」と首をひねった。

 ただ個人戦ではインターハイ出場を逃したが、団体で悔しさをぶつけたいところ。「長いラリーができるようにしたい」(小林)「2年生の助けを借り、気持ちを切り替えて臨みたい」(長谷川)と意気込む。

課題意識し練習を
北北海道女子個人戦ダブルスでベスト8に進出した吉田志乃・佐々木茜組(清水2年)の話

 ドライブ戦で全部上げてしまった。課題はたくさん見つかった。これからの練習では1球を意味のあるものにして単純なミスをなくしたい(吉田)。スマッシュやレシーブがラケットのフレームに当たったりして返せなかった。自滅した。球を上げないよう、練習から意識していきたい(佐々木)。

持てる力発揮強豪に善戦
 ○…2年生が席巻している今大会の中で、帯三条の鈴木航・松岡慎也組(3年)が個人戦ダブルスでベスト4に進出したが、惜しくも優勝した旭川実の2年生ペアに惜敗した。

 調子に乗らせることで、逆に相手のミスを誘うようなゲーム展開にしたかったが、1ゲーム目に13−15と惜しくも取られ、そのまま押し切られた。それでも松岡は「ネット際で力強いプレーができなかったのは悔いが残るが、水崎忍先生(監督)に持てる力は出したと言われてうれしかった。三条ではバドミントンの技だけでなく、人間としても成長できてよかった」と、高校の競技生活を満足そうに振り返ったが、個人戦シングルスを残す鈴木は「最後ぐらいは3年生が目立ちたいですね」と、ひと花咲かせようと最終日に臨んだ。

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野口紗V 荒川健闘準優勝 インターハイレスリング

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