十勝毎日新聞 電子版

Tokachi Mainichi News Web

がん予防へ、ピロリ菌検査の対象を「中2」に移行 帯広市

画像をクリックすると拡大します。

 帯広市は今年度、胃がん予防に効果があるとされるピロリ菌検査の対象を、現行の中学3年生から2年生に移行し、学校健診と同時に実施する。ピロリ菌検査は学校健診とは別に行っているが、進学などを控え時間的余裕のない3年生は検査を敬遠しがちで、受検率は低調に推移していた。市は実施手法を見直すことで、積極的な受検を促している。

 ピロリ菌は胃がん患者の99%が保有しているとされ、長期間保有していると胃がんや胃潰瘍を引き起こす。経口感染や家庭内感染が主で、多くの場合5歳ごろまでに感染する。若い時期に除菌することで胃がんリスクを減らすことができる。

 市はピロリ菌検査を2016年度に導入。希望者のみ検査を行い、ピロリ菌に感染するとできる抗体の有無を尿検査で調べている。開始当初は受検率は60~70%台で推移したが、近年は低下傾向が顕著で、23年度は56・0%、昨年度は53・9%にまで低下。受検率向上のために今回の見直しに踏み切った。

 受検率の低下は、検査の意義が正確に伝わっていないのが一因。高校受験を控えた3年生は進学準備に多忙で、学校行事の主力でもあることから、検査を面倒に感じる生徒が多い。このため時間的に余裕がある2年生に対象を移行、学校健診と同じ日にピロリ菌の尿検査も行うようにする。

 今年度は移行期間とし、3年生と2年生を対象に実施。助成対象は1次検査で、これまで通り自己負担はかからない。市によると陽性率は毎年5%前後。陽性の場合は2次検査を行い、それでも陽性反応が出た場合は除菌を行うか選択する。2次検査と除菌は自己負担(計2万円弱程度)。

 市が今週から、学校を通して受検の希望調査を行っている。「ピロリ菌は感染の自覚がなく、手遅れになることもある。なるべく早く確認し、除菌することが重要」(市健康推進課)としている。

 道内他都市では、函館市は2次検査まで、苫小牧市は除菌まですべてを補助対象にしている。帯広の場合、1次検査の受検率が低いことから、「現段階で2次検査以降の補助は予定していない」(同)としている。(貞野真生)

更新情報

震度6強の地震想定し訓練 帯広石油組合

紙面イメージ

紙面イメージ

7.29(火)の紙面

ダウンロード一括(100MB) WEBビューア新機能・操作性UP

日別記事一覧

十勝の市町村

Facebookページ

記事アクセスランキング

  • 昨日
  • 週間
  • 月間

十勝毎日新聞電子版HOME