十勝和牛、過去最高値1キロ8100円 ホクレン枝肉市場
7日にホクレン十勝枝肉市場(帯広)で開催された「十勝和牛枝肉共励会」の最優秀牛が、同市場の過去最高単価を更新する1キロ当たり8100円で落札された。有名ブランド牛に引けを取らない高額取引で、2027年に「全国和牛能力共進会(和牛全共)」の北海道大会(音更町、帯広市)を控える管内の和牛関係者を喜ばせている。
金子ファーム(足寄町)の出品牛(名号=猛4826)。格付けは「A5」、枝肉重量は587キロ、BMS(脂肪交雑=サシ=の評価基準)は最高の「12」、歩留まり基準値は82・7%だった。
ロース芯面積が115平方センチと平均を大きく上回り、ばらの厚さ(10・7センチ)や歩留まりの良さと合わせて高い評価を得た。
競りでは札幌市の食肉事業者が落札。他の入賞牛は1キロ当たり3000円前後で取引されており、金子ファームの出品牛は群を抜いていた。これまでの最高落札額は、21年(全道共励会)に記録された1キロ当たり7800円。
青森県が本拠の金子ファームは、11年から足寄町内に牧場を開設し500頭弱を肥育。金子吉行社長は「今年は和牛の枝肉価格が低調だったので(落札価格は)正直驚いている。十勝和牛のブランド力が高まっている証拠」と語る。
共励会を主催した十勝和牛振興協議会の宮前裕治会長は「十勝和牛に関わる生産者、関係者の励みになる」と強調。3年後の和牛全共に向けて弾みになったと受け止めている。(能勢雄太郎)
十勝和牛枝肉共励会(55頭出品)の他の入賞牛の出品者は次の通り。(敬称略)
◇優秀賞
▽1席=太田充英(帯広市川西)
▽2席=上田畜産(新得町)
▽3席=ダイマルファーム(帯広市川西)
▽優良賞=成田牧場(本別町)山川克之(音更町)柴山匡(幕別町)ダイコク(帯広市川西)