十勝も強盗被害に警戒感 防犯グッズ2倍の店も
首都圏を中心に「闇バイト」に関連した住宅への強盗被害が相次ぎ、十勝管内でも警戒感が強まっている。ホームセンターでは防犯商品の売り上げが前年比2倍になるなど対策を施す動きが見られる一方、窓ガラスを割られて侵入される事例から「どれだけ防犯に力を入れても防ぎきれないのでは」と対策の難しさを感じる住民もいる。(中島佑斗)
「強盗事件が続いているのは非常に気がかり」
市内に住む男性(67)は強い警戒感を口にする。一連の強盗事件では、不審な人物が業者などを装って犯行前に家の周囲を「下見」しているとされ、その上で窓ガラスを割って自宅に侵入する事例が多い。
「まずは知らない人が訪ねてきても、容易に家の中へあげないこと」と危機感を強める。
市内の30代女性は、人の動きを感知すると自宅内の受信機が光って知らせる「人感チャイム」を自宅ベランダに設置する考えで、「少しの外出であれば鍵をかけずに出るなどもともと防犯に無頓着だったが、物騒な世の中なので気を付けるようになった」と話す。
防犯関連の商品も売れている。市内のジョイフルエーケー帯広店(東7南16)によると、ここ1カ月の関連商品の売り上げは前年比で約2倍に。こうした状況も受けて、店内に点在していた防犯の商品をまとめたコーナーを先日、新たに設けた。
同店によると、例年年末に向け、空き巣被害への警戒から鍵を二重にする商品などの売れ行きが伸びる。一方、今年は強盗の手口も踏まえて、窓ガラスに貼り付けて強度を高める「防犯フィルム」が特に好調という。岡田章広副店長は「全国的に事件が相次いだことで、防犯グッズにかなりの動きがある」とする。
市内に3店舗を展開するDCM(東京)広報担当も「防犯砂利やセンサーライト、防犯カメラなどの注目度が高まっており、十勝も同様の傾向」としている。
これらの対策は効果的である一方、完全な防犯を保証するものではない。ある住民は「(不審な人物が現れるなど)強盗事件と似た事例が起きれば、すぐに町内会や周囲に情報共有したい」と話した。