帯広美術館、4カ月の休館から1日再開 屋根など修繕
屋根などの修繕工事のため7月から臨時休館していた道立帯広美術館は、11月1日に再オープンする。川端雄一館長は「4カ月間の休館でご不便をおかけした。11月からの新たな展示の準備も抜かりなく続けてきたので、楽しみにしていただきたい」と話している。
同館は、1991年9月に道内5館目の道立美術館として開館。道東の文化の発信基地として、優れた作品の収集・保管や地域文化の振興などの役割を担い、2020年9月には入館者200万人を達成した。昨年度は6万3490人が訪れている。
今回は腐食が進んだ軒の撤去や新設、防水塗装、ロビー屋根の上に鋼板をかぶせて圧着するなどの工事を実施した。工事に合わせ、エントランス前の点字ブロックを敷石と一体化した新品と交換する。工期は準備や足場撤去などを含めて5月31日~11月15日。同館によると、数カ月休館して行う大規模工事は初。
休館中は、所蔵作品などを紹介する「帯広美術館オンラインアート教室事業」を強化。美術館と学校や社会教育施設をつなぎ、道内5件、学芸員による出前講座2件を実施した。
11月1日~12月22日は、特別展「帯広美術館コレクション選1~森と林のあわいに~」、コレクション・ギャラリー「帯広美術館コレクション選2 みんなの帯広美術館」を開催する。
特別展では帯広美術館振興会からの寄贈作品を軸に、西洋の美術・バルビゾン派や道東の美術から自然を舞台に描かれた作品を紹介。コレクション・ギャラリーでは、同館コレクションの柱である道東の美術やプリントアートなどを年代別に展示する。11月3日午後2時からは、同館ロビーでマリンバ奏者左藤優さんによる「ミュージアム・コンサート」も開かれる。
川端館長は「われわれも皆さまをお迎えできることを楽しみにしている。多くの方に足を運んでいただきたい」と話している。(菊地青葉)