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「おしゃべりな写真館」のセット解体始まる

解体されるセットを見守る須永プロデューサー(右)と工事関係者

 【鹿追】鹿追町を中心に十勝で撮影された映画「おしゃべりな写真館」(藤嘉行監督)で使われた「写真館」の解体工事が7日、ロケ地となった町内の私有地で始まった。映画を制作した和ら美の関係者や、撮影を支援した町民の支援団体「ささえ隊」のメンバーが名残惜しそうに作業を見守った。(高井翔太)

 豊かな自然の中で紡がれる心温まる映画は、管内では帯広市内のシネマ太陽帯広で2月23日から3月21日まで上映。目標の3000人を大きく上回る延べ4893人が来場した。その後、道内7カ所で公開された。

 舞台となった「写真館」のセットは、個人宅の敷地に建てられた。コロナ禍前に須永裕之プロデューサーが、夫婦(めおと)山を背景に牧草地に1本のカシワの木が立つイメージ図を手に町内を回っていたところ、「カシワではなくてシラカバだけど、うちみたい」と住人の女性から驚かれ、協力を得ることができた。

 須永プロデューサーは、コロナ禍で撮影が中断したことなどを振り返りながら「さびしいが、よくもってくれた」とし、解体の様子を写真に収めた。

 玄関付近にお酒をまいた藤監督は「建物にありがとうという気持ちを込めた」と感謝。今後は、道内179市町村に声を掛け、上映会で回る企画を7月から始める。「どんな小さいところでも、隅々まで回りたい」と意欲を述べた。

 10月11日からは、東京や大阪、名古屋など全国11カ所での上映も予定している。

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  • 感謝の気持ちを込めお酒をまいた藤監督と見守るささえ隊の鈴木さん

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