利用者右肩上がりも人員不足、専門人材を急募 公立芽室病院の訪問リハビリ
【芽室】公立芽室病院(研谷智院長)が2年前にスタートさせた訪問リハビリテーション(訪問リハ)の利用者数が右肩上がりを続けている。地域の潜在的な需要に対応する取り組みとなっている半面、訪問リハの担当人員の不足が新たな課題に。同病院では今後、理学療法士と作業療法士を確保し、拡大する訪問リハ需要に対応していく考え。(近藤周)
訪問リハは、歩行など日常動作の練習を行うことで、住み慣れた自宅で快適に過ごせる体づくりをサポートする取り組み。同病院では、2022年7月に訪問看護ステーションを設置。同時に訪問看護利用者への訪問リハの提供も始めた。同年11月からリハビリに特化したコンサルによる院内リハの強化にも取り組んでいる。
23年11月に「訪問リハビリステーション事業所」を開設。訪問リハのみの利用や外部からの利用が増え、22年は月十数件だった利用が、24年3月では75件にまで伸びた。こうした取り組みが収益増につながった面も。診療技術科の佐藤孝生科長は「高齢者が増加し続ける中で、自宅で生活したいという患者は増えていく」とさらなるリハビリ需要増を見込む。
院内リハから退院後の訪問リハまで一連のリハビリ提供に向け、規模拡大を目指す中、セラピストの人手不足が課題に。現在、同科リハビリテーション係のセラピストは12人で、うち訪問リハ担当は理学療法士1人。訪問リハ担当の理学療法士が1人で週27件の訪問リハに対応している状況で、5月は新規の申し込みに対応できなかった。
同病院では新たな需要に対応するため、セラピストを増員する方針。7月1日付採用予定の理学療法士と作業療法士各1人を急募しており、佐藤科長は「高齢者医療が中心のリハビリテーションに興味のある人にぜひ来てもらえたら」と呼び掛けている。詳細は同病院事務局総務係(0155・62・2811)へ。