新藤丸 低層に百貨店機能 マンション併設案も 村松社長が構想
道内唯一の地場資本百貨店だった「藤丸」が1月末に閉店して3カ月。その屋号を引き継ぎ、営業再開を目指している藤丸株式会社(帯広市)の村松一樹社長は、施設を建て替える可能性の高さを掲げた上で、その場合は1階を食のフロア、2階を衣料や雑貨などで構成する「藤丸セレクト」などとし、催事スペースの確保や分譲マンションの併設も有力候補に挙がっていることを明らかにした。
4月29日に十勝毎日新聞社の取材に応じた。
新藤丸は、旧藤丸の地権者から土地建物を取得するなどした後、閉店前の百貨店機能を縮小し、再オープンする計画を持つ。耐震改修工事か建て替えるかは現在まだ明らかにしていないが、村松社長は「施設は老朽化し、改修ではコストがかかり、長期展望も描きにくい。地域や専門家も含め、建て替えるべきとの声が強い」と話した。
食のフロアは「十勝のおいしいものプラス、国内外の少し高いが、質が高い品をそろえる」とした。「ホテルヌプカ」を運営する十勝シティデザインが計画する「食べ歩きのまち」や、帯広商工会議所が進める広小路での歩行者天国(ホコテン)などの動きと相乗効果を図りたい考え。
また、藤丸セレクトは「百貨店のフルラインアップとはいかないが、キッチン雑貨や文具なども想定」、「催事スペースは収益性は高くないが、高校生など幅広い年代から要望が高い。マンションは有力な選択肢の一つ」などと説明。建物全体の階層は未定だが、「商業部門はシームレス(仕切りのない)なオープンエリアとしたい」と話している。
正式な構想発表時期については「旧藤丸の債務処理のめどが立った時点で」と述べるにとどめた。ただ、関係者によると、旧藤丸の清算に向け必要事項の一つ、旧藤丸の不動産集約に関する地権者との契約が5月中にも行われる予定。(佐藤いづみ)