牛の電子カルテで1頭月2万円削減 とかち財団支援事業の成果を報告
とかち財団(金山紀久理事長)が2021年度に実施した、新たなビジネスを対象とした各種支援事業の採択者による報告会が帯広市内の事業創発拠点LANDで開かれた。先進地視察や実証実験などを行った5人が、事業の経過や成果を語った。(大海雪乃)
このうち、成長初期段階の事業者を支援する「アーリーステージ事業者支援助成金」を活用したVETELL(ベッテル、帯広)の池田哲平さんは、牛の健康管理・共通型電子カルテの開発、普及に取り組み、助成金は市内の黒毛和牛繁殖農場での実証実験に活用。
農場スタッフによる病気の早期発見、獣医師の拘束時間の減少、発育改善などにより、導入効果は生後1カ月間の子牛1頭当たり2万円あったと説明。池田さんは「今後は記録やデータ取得の自動化などに取り組みたい」と述べた。
この他、先進地視察やマーケティング調査に活用できる「十勝人チャレンジ支援事業補助金」に採択されたクラフトキッチン(上士幌)の齊藤肇(けい)さん、PonoWolves(帯広)の加藤拓さん、「アーリーステージ-」に採択されたSwing by(同)の山中大輔さん、フォレストデジタル(浦幌)の辻木勇二さんも報告した。
2種類の支援事業は統合し、今年度から「とかちビジネスチャレンジ補助金」に。来年度は4月7日まで申請を受け付ける。